ノーベル平和賞は1901年に始まり、国際紛争の解決や人道支援などに尽くした個人・団体が選ばれてきた。受賞は約110人・約30団体に上り顔ぶれも多彩だが、世界大戦中には「受賞者なし」の年もあった。
ノルウェー・ノーベル賞委員会によると、第一号には、赤十字創設者であるスイスのアンリ・デュナンらが選ばれた。翌年以降もセオドア・ルーズベルト元米大統領(06年)らが選ばれてきたが、第1次世界大戦(14~18年)の際は、17年の「赤十字国際委員会」を除き受賞者は出なかった。
第2次世界大戦(39~45年)中も、多くの年で受賞者はなかった。戦後は64年のマーティン・ルーサー・キング牧師や79年のマザー・テレサなど世界的に著名な人たちの受賞も目立つ。
核軍縮運動などの分野では、「非核三原則」を提唱した佐藤栄作元首相が74年に選ばれ日本人初の受賞となった。95年には核兵器廃絶などを目指す科学者が集うパグウォッシュ会議が選ばれた。
21世紀に入ってからは、原子力の平和利用推進や軍事転用防止を目的とした国際原子力機関(IAEA)が2005年に選ばれた。「核兵器なき世界」を目指すとした「プラハ演説」を行ったオバマ元米大統領が09年に、国際的なNGOの連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」も17年にそれぞれ受賞している。
日本になじみがある受賞者としては、国連で日本語の「もったいない」という言葉を広めたケニアの環境保護活動家のワンガリ・マータイさんが04年に受賞した。緒方貞子さんが1991年から10年間トップを務めた国連難民高等弁務官事務所は54、81年の2回受賞している。
【時事通信社】
2024年12月11日 07時04分
society