「お墓の引っ越し」とは、既にお墓や納骨堂に納めた遺骨を他のお墓などへ移すことです。
正式には「改葬」と言い、改葬には公的な手続きが必要となります。
改葬には4つのパターンがあります。まずは自分の希望に合うパターンについて検討しましょう。
一般的に、既存の墓地から移動出来るのは石碑と遺骨だけです。
納骨棺や外柵と言われるお墓の周辺の石は、移動先のお墓と寸法が合わないなどの理由により移動させられません。
石碑と納骨してあるお骨を全て新しい墓地へ移動します。
既存の墓所はお墓の移動が完了した後、更地に戻して墓地管理者に返します。
石碑を持ち込める墓地と持ち込めない墓地があるので、事前に確認が必要です。また、既存の石碑が収まる墓地を探さなければいけません。
納骨してあるお骨を全て移動します。
既存の墓地は石碑の撤去処分後に更地に戻します。
改葬の依頼の中で最も多いケースです。既存石碑を新しい墓地へと運ぶ輸送量を考えると、石碑を新しく立てたほうが安くなる場合もあります。
複数ある骨壷の一部のみを移動します。石碑は新しいものを用意し、既存のお墓もそのまま残します。
一旦埋葬しておいた遺骨を後から取り出すなどの事情によって、特定の遺骨を移すケースです。
引っ越したい遺骨の分だけ手続きが必要です。
骨壷の中のお骨の一部を移動(分骨)します。石碑は新しいものを用意し、既存のお墓もそのまま残します。
最近は改葬を希望する人が増えてきました。その理由としては現在埋葬されている墓所への不満や、遺族に供養の負担を負わせぬよう永代供養にするという理由が多いようです。
近頃では故郷を離れて暮らす人も多いので、自分の家から近くの墓地に移したいという考えの人も増えています。
改葬には公的な手続が必要だと述べました。では、改葬の手順と必要な手続きについて確認してみましょう。