「現場の声を聞いて」=子ども食堂や高齢者、物価高苦慮―安定したコメ政策求める声も・自民総裁選



物価高に直面する各地の子ども食堂やコメ農家からは、自民党の新総裁に選出された高市早苗氏に対し「もっと現場の声を聞いて」「個々に応じた支援を」といった声が聞かれた。

山梨県韮崎市で子ども食堂を運営するNPO法人「にららん」の内藤慶子理事長(60)は物価高で食堂の料理などに使うコメの寄付が、昨年の約3分の1に減った一方、利用者は倍に増えたと明かす。同党初の女性総裁となった高市氏に対し「生い立ちが庶民的な印象で応援したい」とした上で、「子どもたちの居場所となる取り組みにもっと目を向けて」と話した。

困窮した高齢者らの自立支援などを手掛けるNPO法人「東京オレンヂ」(東京都新宿区)には家賃の滞納など、毎日100件超の生活相談が寄せられる。三浦辰也理事長(49)は「国民の住まいを保障するのは国の責任だ。相談者が抱える事情はそれぞれ違うので、個々に応じた支援を」と求めた。

高止まりが続くコメ価格だが、コメの増産には課題もある。福島県二本松市のコメ農家渡辺年雄さん(68)は「増え過ぎればまた生産制限される。ころころ政策が変わる国を信じられない」と心境を吐露。新総裁がスマート農業の普及を公約に掲げていたことに、「山間部でコメを作る私たちに予算が回ってくるのか不安だ。もっと現場の声を聞いて」と要望した。

新潟県十日町市のコメ農家小見重義さん(74)は「コメの値段は上がったが、農薬代や農機具の修理代も上がっている。生産者への所得補償など供給が景気に左右されないような環境を整備してほしい」と訴えた。

【時事通信社】 〔写真説明〕「ときわこども食堂」で夕飯を食べる小学生たち=2020年、大阪市阿倍野区

2025年10月05日 12時31分


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