自民党の高市早苗総裁は5日、党役員人事などの調整を本格化させ、幹事長に鈴木俊一総務会長(72)を起用する方針を固めた。麻生太郎最高顧問(85)の副総裁再登板も検討。首相に就任した場合、官房長官に木原稔前防衛相(56)を充てる案が浮上している。
高市氏は「全世代総力結集」を掲げており、首相就任時の閣僚人事も含め、挙党態勢の確立を目指している。小泉進次郎農林水産相(44)ら総裁選の対立候補4人を政府・党のポストで処遇する意向だ。
高市氏は5日午前、東京・赤坂の衆院議員宿舎で過ごした。人事構想を練ったとみられる。同日午後、党本部に入って麻生氏と約1時間会談。この後、記者団に「(幹事長人事は)まだ本人にも言っていない」と述べた。
鈴木氏は財務相などを歴任。「和の政治」を掲げた故鈴木善幸元首相の長男で、敵をつくらない温厚な人柄で知られる。所属する麻生派を率いる麻生氏は義兄に当たる。幹事長の人選について、高市氏は4日の記者会見で「各党と話ができ、党全体を見渡せる方がいい」と説明していた。
麻生氏は総裁選の決選投票に際し、党員・党友票で首位の候補を支持するよう、同派の所属議員に指示。高市氏の勝利につなげた。
〔写真説明〕自民党の麻生太郎最高顧問との会談を終えた高市早苗総裁=5日午後、東京・永田町の同党本部
〔写真説明〕自民党の高市早苗総裁との会談を終えた麻生太郎最高顧問=5日午後、東京・永田町の同党本部
〔写真説明〕記者会見する自民党の鈴木俊一総務会長=4日、東京・永田町の同党本部
2025年10月05日 21時15分