佐渡金山、世界遺産に推薦へ＝自民保守派の要求考慮―政府

政府は２８日、「佐渡島（さど）の金山」（新潟県）を世界文化遺産候補として国連教育科学文化機関（ユネスコ）に推薦する方向で最終調整に入った。韓国の反発で見送り論が広がっていたが、自民党保守派の強い要求を受け、岸田文雄首相が判断した。同日中にもこうした方針を表明する。

文化審議会は昨年１２月、佐渡金山を推薦候補に選定するよう答申したが、韓国が「朝鮮半島出身者の強制労働の現場だ」と撤回を主張。推薦書の提出期限は来月１日で、政府内で検討が進められていた。

外務省などは、韓国の反対により登録実現の見通しが立たない上、政治問題化する恐れもあるとして、推薦に消極的だった。これに対し、自民党の安倍晋三元首相が「先送りして登録の可能性が高まるのか」と指摘するなど、保守派を中心に早期推薦を求める声が強まった。

これに関し、林芳正外相は２８日の衆院予算委員会で「登録実現に向けて何が最も効果的かという観点から総合的に検討を進めたい」と重ねて強調。「文化遺産としての価値に鑑み、ぜひ登録を実現したい」とも語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕首相官邸に入る岸田文雄首相＝２８日午前、東京・永田町 〔写真説明〕衆院予算委員会で答弁する林芳正外相＝２８日午前、国会内

2022年01月28日 13時07分

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