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違法認識有無がポイント=大谷は「罪には問われないが」―村尾卓哉弁護士が解説・通訳賭博問題



米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が違法賭博に関与したとされる問題は、どこがポイントか。球団本拠地ロサンゼルスがある米カリフォルニア、ニューヨーク両州の弁護士資格を持つ村尾卓哉氏(40)=東町法律事務所=は、まず「大谷選手本人が罪に問われる可能性は、現時点ではないだろう」と考える。

今回の問題で、「違法性」についての論点は(1)違法組織での賭け事(2)スポーツ賭博が禁じられているカリフォルニア州での賭け事―の二つ。村尾氏は問題の根本は前者と指摘し、「米連邦全体で捜査する事件で、大谷選手の口座から巨額が送金された。州法ではなく、連邦法による無認可賭博の大きな案件になる」と整理した。

米スポーツ専門局ESPNによると、水原氏は違法賭博の疑いで捜査を受けている胴元と取引。大谷選手の口座からは、少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が送金されていたという。

水原氏は大谷選手による賭博行為は否定。一方で当初の「借金を肩代わりしてもらった」との説明を、「大谷選手は賭博も借金も知らなかった」と一転させた。村尾氏は「横領や窃盗なら、大谷選手は被害者。肩代わりでも犯罪とまでは言えない」と説く。

ただ、大谷選手が無認可賭博の胴元と認識し送金した場合、選手活動に影響する恐れがある。「法の話ではないが、大リーグにはギャンブルに関する規定がある。大谷選手が違法組織への送金に関与したなら、処分なしとはいかないだろう」。大リーグの規定では、直接賭博をしていなくても違法な賭博ビジネスのために働いた場合などは、最低1年間の資格停止処分となる。村尾氏は資金の流れなどについて、大谷選手が捜査当局から事情聴取を受けるとの見通しも示した。

水原氏に関しては、違法賭博で1000ドル(約15万円)以下の罰金、6カ月以下の禁錮刑、横領または窃盗で3年以下の禁錮刑の可能性があるという。「もし家を建てるために金が必要などと大谷選手にうそをついていたなら電信詐欺になる」。この場合は連邦法に抵触し、最長20年の禁錮刑となる。

巨額の収入がある大谷選手に近い水原氏が金づるとして借金漬けにされたとの見方もある。村尾氏は「大谷選手が助けたかったとしたら、球団や弁護士に相談すればよかった。金銭の管理も含め、甘かったと言わざるを得ない」と残念そうに話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕村尾卓哉弁護士(東町法律事務所提供)

2024年03月25日 17時54分


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