中東情勢を憂慮、邦人被害なし=イラン制裁で対応苦慮―政府



政府は19日、イスラエルがイランを攻撃したとの報道を受け、事実確認も含めて情報収集を急いだ。林芳正官房長官は記者会見で「邦人の被害情報はない」と強調。さらなる情勢悪化を憂慮しつつ、事態の推移を注視している。

林氏は「現時点でイスラエルが関与を認めていると承知していない」とした上で、中東情勢について「深い懸念」を表明。「事態のエスカレーションにつながるいかなる行動も強く非難する」と両国に自制を促した。

在留邦人に関しては「生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接していない」と説明。今後も安全確保に万全を期す考えを示した。

日本は、イランがイスラエルを攻撃した当初から、先進7カ国(G7)各国と足並みをそろえて厳しく批判。ただ、米英両国が対抗措置として踏み切った制裁には、「それぞれの判断だ」(政府高官)と態度を明確にしていない。

日本は従来、原油輸入の9割を依存する中東での「バランス外交」を重視している。イランは伝統的な友好国だが、制裁を決断した場合の関係悪化は必至。原油輸送の要衝ホルムズ海峡などで航行の安全に問題が生じれば、国民生活への影響は不可避なため、対応に苦慮している。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する林芳正官房長官=19日、首相官邸

2024年04月19日 19時55分


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