ハマス要員5000人残存か=ガザ休戦で勢力回復可能―トンネル活用、抵抗長期化も・米紙



【カイロ時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は22日、パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍と交戦中のイスラム組織ハマスに4000~5000人の要員が残っているとのイスラエル当局の分析を報じた。イスラエルは1万3000人のハマスの要員を殺害したと主張している。だが、ガザ北部の地下トンネルに多数の人員が隠れているとみられ、米・イスラエル政府内ではハマスの抵抗が長期にわたって続くとの見方が出ている。

イスラエルは、ハマスの24大隊のうち19を壊滅したとしている。3月には軍事部門ナンバー2のマルワン・イーサ氏を殺害した。

しかし、ハマス指導部の多くはガザの地下トンネル網で生活。同紙によると、米当局者は、戦闘が休止すれば、ハマスはトンネルを利用し勢力を回復させることになると分析した。

米情報機関は3月の報告書で、「イスラエルは今後数年間、ハマスの延々と続く抵抗に直面するだろう。軍はハマスの地下インフラの無力化に苦労することになる」と予測。また、戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は1月の会合で、ガザでの戦闘が「1年、10年、1世代」続くかもしれないと述べたという。

イスラエルのネタニヤフ首相は21日、「(ハマスに)さらなる痛みを伴う打撃を加える。これは間もなく起きる」と主張。150万人の避難民らが身を寄せる最南部ラファへの軍事侵攻が近いことを示唆したと受け止められている。

一方、ロイター通信は23日、ガザ当局者の話として、先にイスラエル軍が突入した南部ハンユニスのナセル病院の敷地から遺体310体が発見されたと報じた。当局者は、イスラエル軍が「処刑を行った」と主張したが、イスラエルメディアによると軍は「全く根拠がない」と否定。人質捜索の一環としてパレスチナ人が埋葬した遺体を掘り起こしたが、その後元に戻したと説明した。

【時事通信社】 〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザの地下トンネル入り口=イスラエル軍が2月21日提供(AFP時事) 〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスの破壊された建物=22日(AFP時事)

2024年04月24日 12時42分


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