ホンダは2026年、電気自動車(EV)の新主力ブランド「0(ゼロ)」を北米市場に投入する。「薄く、軽く、賢く」を開発思想とし、軽量・小型化を図るとともに人工知能(AI)など最新技術を駆使。世界のEV市場で先行する米テスラや中国の比亜迪(BYD)に対抗する世界戦略を担う新機軸EVと位置付ける。
「ゼロの方向性は間違っていないと確信している」。今月2日に栃木県芳賀町で行われた報道機関向け説明会で、三部敏宏社長は強調した。ゼロシリーズは北米を皮切りに、EV普及の本格期とされる30年までに全世界で小型~中大型の計7モデルを投入する計画だ。日本での展開も予定しており、三部氏は国内販売戦略についても「いろいろ考えている」と話した。
既にスポーツカーのような低重心のセダン「サルーン」などの試作車を公開。25年1月に米ラスベガスで開かれる家電見本市「CES」では、より量産車に近いモデルを公開する方向で調整を進めている。
EVは走行距離を伸ばすと、動力源であるバッテリーの搭載量が増え、車体が大型化してしまう課題がある。ゼロは、専用開発した薄型バッテリーパックや独自の接合技術などを採用し、軽量・小型化を実現。高い走行性能に加え、条件付きで運転手が進行方向から目を離しても自動運転が可能な「アイズオフ」機能搭載も計画する。
ホンダは昨秋、事業環境の変化を理由に、米ゼネラル・モーターズ(GM)との量販型EVの共同開発計画の中止を発表。新たに日産自動車、三菱自動車との3社連合を組んだ。ゼロシリーズは「100%ホンダの技術」(三部氏)で開発が進められているが、将来的に3社で協業する可能性もあるという。
【時事通信社】
〔写真説明〕ホンダが開発を進める新EVシリーズ「0(ゼロ)」のコンセプトモデル「サルーン」=2日、栃木県芳賀町
〔写真説明〕説明会で発言するホンダの三部敏宏社長=2日、栃木県芳賀町
2024年10月09日 13時00分