野球の国際大会プレミア12で連覇を目指す日本代表「侍ジャパン」は、13日にオーストラリアとの初戦を迎える。井端弘和監督が大会を控えて報道各社のインタビューに応じ、「優勝しかないと思っている。いいチームをつくって、一人でも多くの選手に大きな飛躍になる大会にしてほしい。それが来年以降の強い日本には欠かせない」と意気込みを語った。
中軸として期待していた野手のけがが相次いだ。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝に貢献した村上(ヤクルト)や岡本和(巨人)に加え、万波(日本ハム)も代表を辞退。井端監督は「ホームランバッターが全員いなくなるのは痛い」と本音を口にする。
ただ、悲観する様子はない。長距離打者では、7月以降に今季の全15本塁打を放ち、規定打席未満ながら打率3割をマークした清宮(日本ハム)を追加で招集した。トップチームでプレーするのは初めてだが、井端監督は「(村上や岡本和の)代わりだとは思っていない。後半だけなら打率は、はるかに上。本塁打も打っている」と高く評価する。
清宮については「今後も期待している。来年以降、この大会以降を踏まえて、ここで(国際大会を)経験することは大きい」とも語った。2026年にはWBC、その後も28年ロサンゼルス五輪の予選や本大会と重要な試合が控えている。
「長く日本が世界一でいるためには、ずっと同じメンバーではそうはいかない。どんどん若い選手に国際試合を経験させることが、次のWBC、五輪につながる」。清宮のみならず、代表初選出となった先発の才木(阪神)のほか、若手の小園(広島)や紅林(オリックス)といった有望株もそろう。次世代を担う選手が躍動しての連覇となれば、最高の筋書きとなる。
【時事通信社】
〔写真説明〕清宮(右)と言葉を交わす井端監督=6日、宮崎市
2024年11月08日 18時05分