英でコロナ感染再拡大、警戒強化=新たな変異株が影響か



【ロンドン時事】英国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。21日の新規感染者は7月半ば以降で初めて5万人を超え、死者や入院患者も増加傾向が続く。最近特定された新たな変異株が感染を押し上げているとの見方もあり、警戒が強まっている。

ジャビド保健相は20日の記者会見で、感染拡大の事態に強い懸念を示し、1日当たりの新規感染者が近く10万人に達する恐れがあると警告。ワクチン未接種者やブースター対象者に早急に接種を済ませるよう呼び掛けた。ただ、マスク着用義務化や在宅勤務推奨など規制の再導入は現時点では必要ないとの立場を示した。

一方、医療現場からは、感染抑止のため早期の規制再導入を求める声が出ている。全国の医師らが加盟する英国医師会は20日の声明で、「政府が医療と人命を守るため即時に行動しないのは大きな懸念だ」と指摘。政府の元首席科学顧問もBBC放送に「現行の措置では状況を抑えられない。もうすぐ冬が来る。とても心配だ」と訴えた。

こうした中、国内で広がりつつある新たな変異株が不安を引き起こしている。これは現在主流のインド由来のデルタ株から派生した「AY.4.2」で、「デルタプラス」とも呼ばれる。推定で感染例全体の6%を占めるという。感染力やワクチンへの耐性など詳細は分かっていないが、デルタ株より感染力が強い可能性を指摘する見方もあり、当局は厳重な警戒を続ける構えだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕21日、ロンドンにある新型コロナウイルス感染症のPCR検査会場(EPA時事)

2021年10月22日 16時54分


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