東京都文京区の東京大の前で、大学入学共通テストの受験生ら3人が刺され重軽傷を負った事件で、逮捕された名古屋市の私立高校2年の少年(17)のスマートフォンが見つかっていないことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
事件前に着ていた私服も発見されていないといい、警視庁少年事件課は、いずれも少年が襲撃前に処分した可能性があるとみて調べている。
同課によると、少年は15日午前6時ごろ、愛知県から夜行バスで東京駅に到着。地下鉄を乗り継いで東京メトロ南北線東大前駅で下車し、試験会場がある東大弥生キャンパス周辺を下見していた。
同キャンパスを訪れたのは初めてで、スマートフォンなどで行き方を調べたとみられるが、警備員に取り押さえられた際には所持していなかった。自宅の家宅捜索でも見つかっておらず、事件に先立ち捨てたとみられる。
少年は、通っている高校の学生服に着替えて事件を起こしたが、下見の時に着ていた私服もこれまでに見つかっていないという。
事件は15日午前8時半ごろ、東大農学部正門前の歩道で発生。少年は刃渡り約12センチの包丁で女子高校生(17)と男子高校生(18)の背中を刺したとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
少年は刃物3本のほか、瓶やペットボトルに入れた可燃性の液体約3リットルと、着火剤らしきものが入ったトートバッグを所持。現金2万円などが入った財布は東大前駅で見つかった。
【時事通信社】
〔写真説明〕東京メトロ・東大前駅で構内を調べる警察官ら=15日午前、東京都文京区
2022年01月18日 04時59分