「出前館」アカウント不正譲渡容疑=労働資格ない外国人に―配達中事故で発覚・警視庁



飲食宅配代行サイト「出前館」の配達員アカウントを第三者に譲渡し、不正に報酬を得たなどとして、警視庁国際犯罪対策課は15日までに、詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、コンサルタント会社役員山崎光太郎容疑者(50)=東京都中野区中央、整体師の島田卓磨容疑者(32)=大阪府豊中市本町=ら4人を逮捕した。いずれも容疑を認めている。

同課は、首謀者とみられる山崎容疑者がリクルーター役を通じ集めた日本人に出前館のアカウント作成を指示。正規の労働資格がない外国人約150人に譲渡し、配達報酬の一部を得ていたとみて実態解明を急ぐ。

ほかに逮捕されたのは、無職の佐野公大容疑者(35)=中央区日本橋浜町、無職でウズベキスタン国籍のママトカディロフ・イスカンダルベク・レジャボイ・ウグリ容疑者(24)=住居不詳。

逮捕容疑は2023年10月21日、島田容疑者名義の出前館の配達員のアカウントを作成し、ママトカディロフ容疑者に譲渡して報酬を得るなどした疑い。

同課によると、佐野容疑者は、SNSに「出前館案件」「副業紹介」と投稿。応募してきた島田容疑者に出前館のアカウントを作らせた。

ウズベキスタン人のリクルーターから勧誘されたママトカディロフ容疑者は、このアカウントで島田容疑者に成り済まし、出前館から配達の仕事を請け負っていた。

島田容疑者は、出前館から振り込まれた配達報酬から名義貸し料として月2万円を受け取り、佐野容疑者へ月1万円を送金。残りをママトカディロフ容疑者に渡していた。

報酬の一部は佐野容疑者から山崎容疑者にも渡っていた。同容疑者は22年から同様の手口で月約150万円を報酬として受け取っていたとみられる。

出前館は配達員アカウントの第三者への譲渡を禁じており、永住や定住資格のない外国人のアカウント登録も認めていない。

23年9月下旬、ママトカディロフ容疑者が配達中、ペダル付き電動バイク「モペット」でひき逃げ事故を起こし、捜査の過程でアカウントの不正譲渡が発覚した。

【時事通信社】

2025年05月15日 11時39分

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