EU加盟国、EV戦略転換へ=エンジン車35年以降も容認



【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)加盟国は28日の閣僚理事会で、2035年に内燃機関(エンジン)車の新車販売を事実上禁止する法案を承認した。ただ、ドイツの巻き返しを受け、35年以降も、条件を満たした車については販売が認められることになった。脱炭素化へ電気自動車(EV)の普及で世界をリードする狙いだったEUだが、自ら抜け道をつくり出す形となった。

EUは21年、温室効果ガスの排出削減に向け、日本メーカーが得意とするハイブリッド車(HV)を含むエンジン車の販売を事実上禁止する法案を発表。今年2月には欧州議会が採択した。

しかし、大きな自動車産業を抱えるドイツが雇用への影響を懸念し、承認手続きの最終局面で反対を表明。欧州委員会と協議を続け、二酸化炭素(CO2)と水素を原料とする合成燃料を使う場合に限り、35年以降もエンジン車の販売継続を容認することで25日に合意した。欧州委は今後、必要な法的措置を講じる。

合成燃料は、工場や発電所から排出されるCO2と、再生可能エネルギーを用いて生成する水素で製造されるものが代表的。環境負荷の低い燃料として期待が高まっている一方で、ガソリンなどに比べて「高価で極めて非効率」(欧州の環境NGO)なのが課題となっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕欧州連合(EU)本部前に掲げられた欧州旗=ベルギー・ブリュッセル(EPA時事)

2023年03月28日 23時05分


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