岸田首相、「協調の国連」訴え=20日に一般討論演説



【ニューヨーク時事】岸田文雄首相は19日(日本時間20日)、政府専用機で米ニューヨークを訪問し、国連総会の一般討論演説に臨む。ロシアのウクライナ侵攻などで国際社会の分断が深まっていることを踏まえ、「協調のための国連」の実現へ決意を表明。ロシアが核の使用も辞さない姿勢を示していることを念頭に、核軍縮の重要性も訴える。

国連安全保障理事会は、常任理事国ロシアが紛争当事国となったことで機能不全が指摘されている。世界的な食料難やエネルギー価格の高騰で、新興・途上国「グローバルサウス」の危機感も強い。

首相は出発に先立ち、首相官邸で記者団に「人間中心の国際協力や実効的な多国間主義を訴える。国連の改革・機能強化も重要なポイントになる」と強調した。

首相は現地入り後、高濃縮ウランやプルトニウムを対象とする核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)に関するハイレベル行事を主催。各国首脳らに同条約の交渉開始を呼び掛け、核軍縮に向けた機運を盛り上げたい考えだ。

20日のウクライナ情勢に関する安保理首脳級会合では、厳しいロシア制裁とウクライナ支援の継続を主張。内外記者会見も行う。21日は米国の経済・金融関係者らの会合に出席し、自身の掲げる「新しい資本主義」などに関して講演。22日に帰国する。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者団の取材に応じる岸田文雄首相=19日午前、首相官邸

2023年09月19日 15時58分


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