豊田織機に是正命令=エンジン認証不正で国交省―84社には報告指示



豊田自動織機のエンジン認証不正で、国土交通省は22日、道路運送車両法に基づき、同社に対し、抜本的な組織体制の見直しを求める是正命令を出した。同社の産業機械用エンジン3機種について、国の認証「型式指定」を取り消す手続きを始めた。

同法に基づく是正命令は2022年9月の日野自動車、今年1月のダイハツ工業に続いて3例目。1カ月以内に再発防止策の提出などを求める。29日に型式取り消しの処分案について豊田織機側の意見を聞く「聴聞」手続きを行った上で、正式に処分を決める。

一方、型式指定を巡る不正が相次いだことを受け、国交省は22日までに、自動車や装置の型式指定を取得しているメーカーや輸入販売業者計84社に対し、4月末までに不正行為の有無を報告するよう指示した。不正防止に向け、型式指定の要件強化などを議論する有識者検討会も設置する。

同省は22日午前、豊田織機の伊藤浩一社長に是正命令書を手交した。伊藤社長は「このようなことが二度と起こらないよう全社を挙げて最優先課題として取り組む」と陳謝した。

型式指定は大量生産に必要で、今回取り消し対象となるのは、フォークリフト用2機種と建設機械用1機種の計3機種のエンジン。排ガス試験で制御ソフトを書き換えるなどして不正に認証を受けたとして、特に悪質と判断された。建設機械用エンジンは排ガス性能の保安基準も不適合だった。

豊田織機は昨年4月にもフォークリフト用エンジン2機種が指定の取り消しを受けており、今回処分されれば産業機械用の現行5機種すべてが取り消しとなる。

【時事通信社】 〔写真説明〕閣議後記者会見で豊田自動織機に是正命令を出す方針を明らかにした斉藤鉄夫国土交通相=22日午前、国交省

2024年02月22日 21時17分


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