日中、処理水巡り担当者協議=先月、首脳会談受け非公表で



日中両政府が東京電力福島第1原発の処理水放出について、非公表の形で担当者レベルの協議を1月に行ったことが分かった。日本政府関係者が23日、明らかにした。協議は昨年11月の日中首脳会談での合意を受けたもので、放出に反発する中国による日本産水産物の輸入再開につなげる狙いがある。

協議はオンライン形式で行われた。日本からは外務省、経済産業省、原子力規制庁などから担当者が出席し、国際原子力機関(IAEA)が関与するモニタリング結果に基づき、処理水の安全性を説明した。

昨年10月に福島第1原発で発生した放射性物質を含む廃液が飛散したトラブルなども議題に上ったとみられる。

処理水については、昨年11月に岸田文雄首相が習近平国家主席と米国で行った会談で、「協議と対話を通じて問題を解決する方法を見いだしていく」ことで一致した。首相は会談後、記者団に「専門家のレベルで科学に立脚した議論を行っていく」と語っていた。

外務省幹部によると、これまでも中国とは実務的な意見交換を続けてきた。1月の協議は、首脳会談での合意を踏まえた位置付けだという。同幹部は「主張はお互い平行線のままだが、双方とも協議を続けていく考えを持っている」と述べた。

一方、中国外務省の毛寧副報道局長は23日の記者会見で、「中日間では福島核汚染水の問題について意思疎通を保っている」とコメントした。

【時事通信社】 〔写真説明〕アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に臨む岸田文雄首相(左手前)と中国の習近平国家主席(右手前)=2023年11月16日、米サンフランシスコ(AFP時事)

2024年02月23日 18時04分


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