24日でウクライナ侵攻2年=民間人犠牲、歯止めなく1万人―日米欧が制裁もロシア経済回復



【キーウ時事】ロシアのプーチン政権がウクライナ侵攻に踏み切って24日で丸2年となる。約1000キロの前線で対峙(たいじ)する両軍は一進一退の攻防を継続。ウクライナでは日常化するロシアの空爆による犠牲の拡大に歯止めがかからず、国連によると、民間人の死者は1万人を超えている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は節目に米FOXニュースの取材に応じた。人的被害を問われると「何万もの人々が死に、何万もの人々が(家から)追われた」と回答。戦死者は「ウクライナ兵1人にロシア兵5人」と主張した。

プーチン大統領はウクライナ軍の反転攻勢が鈍化した昨年10月、中国メディアのインタビューで「ロシア兵1人にウクライナ兵8人」と発言。双方とも自軍の実態を隠し、敵軍の損失を誇張しているとみられる。米紙ニューヨーク・タイムズは同8月の時点で、戦死者はロシアが約12万人、ウクライナが約7万人という米当局者の推計を伝えている。

ゼレンスキー政権は、ロシア軍の撤退や領土の回復など10項目の和平計画「平和の公式」を提唱。プーチン政権が用意を示す「停戦交渉」は占領を既成事実化し、次の侵略を招くとして一切応じていない。徹底抗戦するウクライナと、停戦もやむなしとする後ろ盾の西側諸国にくさびを打ち込むのがロシアの狙いという見方もある。

ロシア軍はウクライナに圧力をかけようと、23日も自爆ドローン「シャヘド」などで攻撃。南部オデッサ州や東部ドニエプロペトロフスク州で死傷者が出た。

ロシア経済は皮肉にも軍需部門がけん引。日米欧の制裁にもかかわらず、昨年の国内総生産(GDP)は前年比3.6%増と「V字回復」を果たした。ウクライナは経済が打撃を受けただけでなく、復興が難題として重くのし掛かっている。19日に東京で開かれた「日ウクライナ経済復興推進会議」に出席したシュミハリ首相は、日本が支援を「けん引する国の一つになる」と期待を示した。

【時事通信社】 〔写真説明〕戦死したウクライナ兵の墓=22日、東部ドネツク州クラマトルスク(AFP時事) 〔写真説明〕ウクライナ東部ドネツク州バフムト方面の拠点に展開する同国兵=20日(AFP時事)

2024年02月23日 17時52分


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