週明けの国会は、2024年度予算案の衆院通過を巡る与野党の攻防がヤマ場を迎える。与党は憲法の規定で年度内成立が確実な3月1日の採決を目指す。野党は28、29両日の衆院政治倫理審査会(政倫審)に照準を合わせ、自民党派閥の裏金事件を徹底追及する構えだ。
衆院予算委員会は26日に能登半島地震の対応や「政治とカネ」の問題をテーマに集中審議を行う。27、28両日は分科会、29日は予算案採決の前提となる中央公聴会を開催。政倫審はこれと並行して開かれる。
安倍派は、座長だった塩谷立元文部科学相と、幹部「5人衆」のうち事務総長を務めた松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、西村康稔前経済産業相の計4人が審査を申し出た。二階派は、事務総長だった武田良太元総務相が出席する。
政倫審の開催方法について、与党側は原則通り非公開を主張する一方、野党側は公開を要求。弁明・質疑の時間などと併せ、26日の幹事会で協議する。
弁明・質疑では、派閥パーティー収入のキックバック(還流)や中抜きを政治資金収支報告書に記載しない慣行が始まった時期や、安倍派で22年に1度決まった慣行廃止の方針が撤回された経緯などが焦点。安倍派幹部らはこれまで、明確な説明を避けている。
予算案の審議時間は、26日の集中審議を終えた段階で約69時間になり、採決の目安とされる70時間超に近づく。これを踏まえ、与党は3月1日に予算委での締めくくり質疑と採決、本会議での採決を行い、参院に送付する方針だ。
これに対し、野党は「政倫審での弁明が不十分なら、参考人招致や証人喚問を要求する」(立憲民主党国対幹部)とけん制。与党の対応次第で、徹底抗戦も辞さない構えを見せており、採決が土曜日の2日以降にずれ込む可能性もある。
【時事通信社】
〔写真説明〕岸田文雄首相(写真左)と立憲民主党の泉健太代表
2024年02月24日 14時26分