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岸田首相キーウ訪問「効果的」=習氏訪ロと重なり―本格検討年明けから



岸田文雄首相がウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領に一層の支援を約束した。一方、同時期に行われた中ロ首脳会談では、中国のロシアへの協調姿勢が目立った。ウクライナを支援するG7(先進7カ国)と中国の違いがより鮮明となり、外務省幹部は「結果として、首相は最も効果的なタイミングでキーウ入りできた」と成果を強調した。

「侵略をやめ、国際的に認められたウクライナの領土から即時、完全かつ無条件に部隊を撤退するよう要求する」。現地からの報道によると、首相は21日午後(日本時間22日未明)、ゼレンスキー氏との共同記者会見でロシアを批判。「美しい大地に平和が戻るまで、日本は共に歩む」とも語り、ウクライナに寄り添う姿勢を示した。

首相のキーウ入りは年明けから本格検討されてきたが、G7首脳では最後となった。支援面でも、戦車などの武器供与が中心の欧米に比べ、「防衛装備移転三原則」で制限のある日本は、エネルギー分野などへの4.7億ドル(約600億円)の人道支援が中心だ。

しかし、ゼレンスキー氏は「首相はウクライナ、国際秩序の守護者。昔からの友人だ」とG7サミットの議長を務める首相を歓待。長期化するロシアの侵攻を乗り切るにはG7など同志国からの継続的な支援が不可欠で、ワーキングディナーも含めて約3時間、首相と行動を共にした。

一方の習氏は21日にモスクワで、ロシアのプーチン大統領と向かい合った。ロシアが弱体化すれば、米国などによる対中包囲網が強まると懸念する中国は、欧米などのウクライナ支援と一線を画す。両首脳はウクライナへの軍事支援をけん制する共同声明に署名した。

日本政府は「ウクライナはあすの東アジア」と位置付け、中国の威圧的な行動に関心を持つよう国際社会に訴えてきた。習氏のモスクワ入りと首相のキーウ入りが期せずして同じタイミングとなったことで、別の外務省幹部は「中国の意図がロシア寄りであることが明らかになった」と指摘した。

◇警護は「ウクライナの責任」

首相のキーウ入りの詳しい経緯も明らかになった。松野博一官房長官は22日の参院予算委員会などで、首相一行がインド・ニューデリーからポーランド南東部のジェシュフ・ヤションカ空港までチャーター機を用いて移動し、その後は列車などを利用し陸路でキーウに入ったと説明した。バイデン米大統領が2月に使ったルートを踏襲したとみられる。

首相の警護体制については「ウクライナ政府が全面的に責任を負って実施した」と明かした。

一行の安全確保のためロシア側へ訪問を事前通告したかどうかについては、松野氏は「外交上のやりとり」として明らかにしていない。

〔写真説明〕首脳会談を終え、共同記者会見に臨む岸田文雄首相とウクライナのゼレンスキー大統領(右)=21日午後、キーウ(内閣広報室提供) 〔写真説明〕多数の民間人が殺害されたブチャの教会で献花する岸田文雄首相(右から2人目)=21日午後、ウクライナ・ブチャ(内閣広報室提供)

2023年03月22日 20時20分


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