一般社団法人 日本電子機器補修協会
岸田文雄首相が来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を被爆地・広島で開くと表明した。歴史的とも言える広島サミット決定の舞台裏を探ると、首相が決断したのは大型連休の目前。そこからG7への根回しを始め、最後はバイデン米大統領から直接「ゴーサイン」を得て公表に至った。
「広島ほど平和へのコミットメント(誓約)を示すのにふさわしい場所はない」。首相は23日のバイデン氏との共同記者会見で広島開催を発表した。
開催地に名乗りを上げていたのは名古屋、広島、福岡3市。広島選出で「核なき世界」をライフワークとする首相だが、周辺によると、当初は広島開催に前のめりではなかった。外相時代の2016年に広島で開いたG7外相会合の経験から、核保有国の説得は容易でないと実感したためだ。
首相が広島開催に傾いたのはロシアがウクライナに侵攻した2月下旬以降。戦況がこう着状況に陥り、ロシアが核兵器を使用するとの懸念が強まる中、3月下旬にエマニュエル駐日米大使と広島市の平和記念公園を視察。この後、首相は記者団に「政治リーダーに被爆の実相に触れ、世界に発信してもらう努力が大事だ」と思いを語った。
外務省は4月中旬ごろ、3市の会議場・ホテルの収容人数、空港からの距離、警備のしやすさなどを審査して点数化し、首相官邸に報告。一般的な項目は「横一線だった」(首相周辺)とされるが、国際社会に向けたメッセージ性の項目では広島が抜きんでていた。
こうした報告にも背中を押され、首相は4月下旬からの大型連休目前に広島開催に「内々定」を出し、他のG7各国との調整入りを指示した。
不安の種はなお核保有国の米英仏から理解を得られるかどうかだった。関係者によれば、米英仏からは心配されたほど強い異論はなく、事務レベルの根回しは1カ月ほどで完了した。政府高官は「16年のオバマ大統領の広島訪問で政治的なハードルが下がった。心配は杞憂(きゆう)だった」。
各国から了解を得れば、残るは発表の時期のみ。16年の伊勢志摩サミットを安倍晋三首相(当時)が発表したのは前年のサミットに向かう政府専用機に搭乗する直前だったが、首相は国際社会への効果的な発信を考慮。日米首脳会談の数日前、会談でバイデン氏の了解を得られれば、直後の共同会見で発表する意向を周辺に伝えた。
会談当日、首相が広島開催への思いを語ると、バイデン氏は「賛同する」と明言。首相は会談を終えると、公明党の山口那津男代表らに電話で報告した。共同会見で広島開催の発表を聞いたバイデン氏は「首相の故郷、広島でのG7サミット開催の発表を歓迎する」と語った。
〔写真説明〕共同記者会見を行うバイデン米大統領(左)と岸田文雄首相=23日、東京・元赤坂の迎賓館[代表撮影]
2022年05月28日 14時15分
「連座制」の仕組みに隔たり=与野党、
皇族確保策、衆参議長に提出=連休明け
核のごみ調査、本会議で請願採択=原発
新興国のOECD参加後押し=岸田首相
衆院政治改革委が初開催=各党、規正法
公明、裏金自民と距離=規正法で不満、
自民、政治資金支給を6月に前倒し=計
衆院政治改革委、26日に初開催=規正
「連座制」与野党の溝鮮明に=政活費、
トランプ氏対策、表裏両面=麻生氏面会
岸田首相、補選は自身への評価=規正法
規正法改正、連休明けに与党案=議員に