無罪確定に「ほっとした」=准看護師が会見―特養死亡事故



長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」で2013年、入所女性=当時(85)=がおやつのドーナツを食べた後に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われ、二審で逆転無罪が確定した准看護師山口けさえさん(60)が12日、松本市内で記者会見した。「ほっとした。現場となった食堂に近づくことが怖く、精神的に追い詰められていた」と心情を吐露した。

山口さんは「改めてお亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします」と述べた上で、「(准)看護師として心を込めて利用者のお世話をしてきた。今回の(女性の)急変時にはみんなで力を合わせて必死に救命措置をした。それなのに、事実をねじ曲げられ罪人扱いされ、裁判のたびに被告人と呼ばれた」と振り返った。

弁護団長を務める木嶋日出夫弁護士は、無罪確定を受け、「利用者の希望に添った介護が進められることを願う」と述べた。介護施設などでの食事時の急変や死亡に対し「警察は『過失』などを振りかざし安易に捜査に入るべきでない」と訴えた。

〔写真説明〕長野県の特別養護老人ホームの死亡事故で無罪が確定し、記者会見する准看護師山口けさえさん(手前)ら=12日午後、長野県松本市

2020年08月12日 20時02分


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