大人のたしなみとして綺麗な字を書きたい。心を落ち着かせて何かに取り組める時間が欲しいという方も多いことかと思います。
最近では書道教室に通う大人の方も増えているようです。
書道をするメリットだけでなく、大人になってから書道を習い始めた場合にかかる費用の相場や教室の選び方のポイントなどをご紹介します。
書道のメリット
筆、または筆ペンを使う機会が多いのはやはり冠婚葬祭ではないでしょうか。ご祝儀袋、芳名帳などは筆字でサラサラっと書きたいものです。しかし、普段から筆を使うことに慣れていないとなかなか上手に書くのは難しいです。
人前で自信を持って字を書けるようになる。書道を勉強する一番のメリットはやはりそこにあるかと思います。
しかし書道の魅力はそれだけではありません。一つずつ確認していきましょう。
文字を書くことが身近になる
近年ではパソコンやスマートフォンの普及により直接字を書く機会は減ってきています。そんな中で字を書くことと向き合うというのは文字の魅力を再確認することに繋がるのではないでしょうか?
日本ならではの美しいかな文字や漢字を見つめ直すことで伝統文化を体感することができます。
心が落ち着いてストレス解消につながる
書道は目の前の文字を書くことに集中します。 静かな空間で墨の香りを感じながら文字を書くことだけに集中することで、だんだんと心が落ち着いていくのを感じます。慌ただしい日常から少し離れることができ、リフレッシュやストレスの解消にも最適でしょう。
また、自分の納得のいく作品が書けた時の達成感や喜びも一度経験するとやみつきになりますよ。
姿勢が良くなる
年齢を重ねていくと骨や筋肉の衰えにより姿勢が悪くなっていく場合が多いです。加えてスマートフォンを使うことが増えている現代では猫背になっている方が急激に増えています。
姿勢が悪いとなんだか老けて見えてしまうだけでなく、肩こりや腰痛、頭痛などを引き起こしてしまうことも。
書道は基本的に正座で行います。綺麗な文字を書こうと思うと正しい筆の持ち方を学ぶところから始まり、背筋も自然と伸びて姿勢がよくなります。姿勢がよくなると見た目年齢が若く見えるだけではなく、体の歪みによって引き起こされる健康被害も軽減されます。
書道は自分と向き合う時間
書道で自分と向き合うというと大げさに聞こえてしまうかもしれませんね。しかしお手本を見ながら一文字一文字と真剣に向き合うと「なんだかいつもより上手く書けるな」だとか「焦っている気持ちが文字にも現れているな」ということを自分で感じられるようになります。
文字を通して自分を見つめるというと分かりやすいでしょうか。文字には自分の内面が現れます。美しい文字を書くための表現力を鍛えるということは自分を分析することにも繋がるのです。
集中力が高まる
美しい文字を書くためには高い集中力が必要です。限られた枚数の中で満足のいく作品を生み出すためには1枚1枚に集中して向き合う必要があります。筆先や紙の状態、全体のバランスなど気を配るポイントはたくさん。他のことを考えずに書に集中すると自ずと集中力が高まっていきます。
書道教室の選び方ポイント
書道教室は日本全国に多数あります。どの教室に通えば良いのか悩んでしまうという方のために、教室を選ぶ際のポイントをご紹介します。
場所や月謝など通いやすさで選ぶ
書道を習うとなると当然ながら月謝が発生します。大人向けの書道教室の相場は5000円~10000円ほど。そこに加えて半紙や墨、筆などの道具購入のための費用が発生します。月謝を無理のない範囲で払える教室を探しましょう。
また、通い続けるためには場所も重要です。家から近い、公共交通機関で行きやすいなど通うのが苦にならない場所を選びましょう。
先生との相性を見る
大抵の教室では体験や見学を行っています。そこで確認するべきなのは先生がどのような人であるかということ。指導が分かりやすいかどうかはもちろん、その先生の書風が好きかどうか。そして「この先生の許で真剣に書道に取り組んでみたい」と思えるかどうかが重要です。
尊敬のできる先生に教えていただくことで習字に対するやる気が大きく上がりますよ。
流派で選ぶ
書道には様々な流派が存在します。書道だけでなく華道や茶道など「道」の付くものには流派があります。
書道の流派は挙げたらキリがないくらい多くあり、流派によって作品の傾向も変わってきます。流派にこだわりがない方、綺麗な字を書けるようになることだけを目標としている方はあまりこだわる必要はありませんが、段位を取ろうと考えている方は慎重に選びましょう。
書道の段位は日本国内で統一されているわけではありません。流派や団体ごとに独自の段位制度を設けており、取得できる条件も異なります。
ある流派で段位を取得していても、他の流派でも同じ段位の実力があるかと言われると答えはノーです。どの流派で段位取得を目指すのかはじっくり考えてみましょう。
独学で学ぶ
書道教室に通わずに独学で学びたいという方も多いかもしれません。そんな方におすすめなのはテキストを購入して練習すること。
分かりやすいテキストがネットでも多く販売されているので参考にしてみてください。
極める! 基礎習字練習帳
毛筆習字の入門書として人気の高い1冊です。基本中の基本から分かりやすく説明がされているので、 書道をはじめたばかりの方から中級レベルの方まで幅広くおすすめです。
ワンランク上の美文字が書ける!! 極める! ペン字・筆文字練習帳
こちらは筆ペンを使って練習するための本です。筆ペンに限らずペン字の解説も付いているので習字に限らず綺麗な字を書きたいという方にぴったりです。
1日1行で心が整う、字が上手になる 書き込み式 般若心経写経帳
字の練習と併せて写経もしてみたい!という方にはこちらの本がおすすめです。般若心経の内容の解説も掲載されているので、書くだけでなく読んでも教養の身につく1冊となっています。
まとめ
書道の魅力についてご紹介しました。書道は独学でも勉強しようと思えば出来ますが、さらに上達したいと思ったら尊敬できる先生に教えていただくのが一番の近道になります。
とはいえ、最初はテキストでお金をかけずに始めてみるのも良いでしょう。美しい文字を目指して。書道を始めてみませんか?