認知症やボケを予防する上で生活習慣は大きな影響を及ぼします。生活習慣病は体だけでなく脳に与える影響も大きく、生活習慣病を予防することは認知症やボケの予防にも繋がります。
どのような生活を心がければ良いのか、意識するべきことなどをご紹介します。
生活習慣病は脳へどのように影響を与える?
生活習慣病と一口に言っても様々な疾患がありますね。それぞれの疾患がどのように脳へと影響を与えるのかを確認してみましょう。
高血圧
血圧を測った時に上が135mmHG以上、または下が85mmHG 以上になると高血圧とされます。高血圧の状態が続くと、血管に負担がかかり動脈効果へと繋がります。そして動脈硬化になると心臓への負担がさらに増え、血圧が高くなるという悪循環に陥ってしまいます。
高血圧は心筋梗塞や脳卒中を引き起こしやすく、脳血管障害にも関連していきます。脳卒中を起こした後は認知症やうつになる確率が上がります。
糖尿病
血液中の糖の数値が異常に高くなる病気が糖尿病です。血液中の糖をエネルギーに変えてくれるホルモン、インスリンの量が足りなかったり、内臓脂肪が多いなどの理由でインスリンが働かなくなると糖尿病になってしまいます。
血糖値が高い(糖尿病)の状態は、脳の動脈硬化を促進させます、すると脳梗塞が発症するリスクが上がり血管性認知症になりやすくなります。
メタボリックシンドローム、肥満
肥満の中でも注意したいのは、内蔵に脂肪が溜まる内蔵肥満型肥満です。内臓に脂肪が溜まると高血圧や高血糖を引き起こすこともあります。高血圧や高血糖状態になると脳卒中や脳梗塞を引き起こしやすいというのは先に説明した通りです。
また、肥満になると無呼吸症候群にもなりやすくなります。無呼吸になると脳へ必要な酸素が十分に送られず、脳障害を招く原因になる場合もあります。
意識したい生活習慣
認知症やボケは普段の生活を見直すことで予防することが出来ます。具体的にどのようなことに気をつければいいのかを紹介します。
バランスの良い食事
脳はもちろんのこと、体は私達自身が食べたもので出来ています。生活習慣を見直す上で食生活は切っても切れない関係です。
バランスのいい食事を心がける
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養バランスの整った食事をしていると脳に必要な栄養素も一緒に摂取することが出来ます。
特に魚油に多く含まれているEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸、葉酸、ビタミンA・C・Eなどの栄養素は不足なく摂りたい栄養素です。普段の食事の中でまんべんなく摂れるよう意識しましょう。
塩分を控える
塩分を摂取しすぎると高血圧になります。高血圧は脳卒中や脳梗塞を引き起こし、認知症のリスクを引き上げるので無関係ではありません。減塩の商品を選ぶ、出汁などを活用して塩気ではなくうまみの強い食事で満足感を得る、血液中のナトリウムを排泄してくれる働きを持つカリウムを含む食材を意識して食べることで高血圧は予防できます。
カロリーを意識する
暴飲暴食などで摂取カロリーをオーバーする食生活を続けていると、肥満になります。肥満は高血圧や糖尿病を引き起こすので摂取カロリーを気にかけながら食事をすることも重要です。
血糖値の上がリ過ぎる食事を避ける
糖尿病は認知症の発症リスクを高めます。炭水化物中心の食事を続けたり、糖分の多いお菓子やパンを間食に食べる癖を続けていると血糖値が上がってしまいますので控えるようにしましょう。
大量の飲酒をしない
大量に飲酒する習慣があると、飲酒をしない人に比べて認知症になるリスクが約4.6倍になると言われています。アルコールの多量摂取は栄養障害や脳血管障害を発症すると言われています。
認知症の予防になると言われている食べ物をいくつかご紹介します。もちろん、偏った食生活になってしまうと他の病気になるリスクが高まりますので、バランス良く摂取することをいつも心がけてくださいね。
- 魚(特に青魚):オメガ3脂肪酸であるGHAやEPAが多く含まれる。脳の構成成分であるDHA、生活習慣病の予防に繋がるEPA
- 緑茶:緑茶に含まれるテアニンは血圧上昇の抑制効果と認知機能の低下を抑える作用があります
- 赤ワイン:赤ワインに含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、動脈硬化や高血圧予防が期待されます。しかし多量の摂取は禁物です
- コーヒー:コーヒーに含まれるクロロゲン酸にも抗酸化作用があります
運動
認知症を予防するには脳に十分な血液が流れていることが必要不可欠です。定期的に運動をすることで血流が良くなり認知症の予防になります。
「寝たきりになると認知症になりやすくなる」というのを聞いたことがないでしょうか?これは寝たきりになることで血流が悪くなり認知症になるリスクが高まるということです。
激しい運動をする必要は無いので、散歩やウォーキング、ヨガなどの運動をする習慣をつけましょう。
睡眠
睡眠不足は気分が落ち込んでしまったり(うつ状態)、生活習慣病を引き起こしやすくなります。また、生活リズムが狂ってしまうことも認知症の発症に繋がる原因になるとされています。
タバコ
喫煙をすると脳の働きを衰えさせ、動脈硬化や認知症になるリスクを大きく引き上げます。自分がタバコを吸うことはもちろん、近年問題視されているのは受動喫煙です。受動喫煙でも認知症になるリスクは高まってしまいますので分煙の店を選ぶなどの気配りをしましょう。
趣味・生きがいを持つ
知的好奇心を持ち、わくわくした気持ちで物事に取り組むことは脳にとって良い刺激になります。人との関わり合いを持つことでふさぎ込んでしまうことも無くなり、外出の機会も出来るなど好循環となります。
まとめ
寿命が長くなることで認知症になる人口も増えてきています。健康で楽しく過ごせる時間を長くするためにも認知症になるのは避けたいものです。
認知症の予防は普段の生活の中で気をつけられることばかりです。出来ることを実践してみて、ぜひ楽しい毎日を送ってくださいね。