猫は基本的に自由な生き物です。犬とは違い「飼い主をリーダーと認識して従順に従う」などという考えはほとんどありません。
しかし、そんな猫であっても人間と上手に暮らしていくためには最低限のしつけは必要になります。
どんなことを教えればいいのか?しつけのコツは?そんな疑問にお答えしていきます。
ねこのしつけは犬とは違う
ペットへのしつけというと「犬と同じようにすればいいのでは?」と考える方も居るかもしれません。しかし猫は褒められることに対して犬ほどの執着心がありません。
なので、猫のしつけにはやってはいけないことをした時にこれをすると嫌なことがあると認識させることが有効です。
時には猫を叱るシーンも出てきますが、叩いたりするなどの体罰は絶対にNGです。信頼関係が一気に崩れてしまい、飼い主のことを怖がるようになるのは明白。
猫のしつけには根気が要ります。気長な気持ちで接するようにしましょう。
犬のしつけ方基本。どんなことを教えるの?
犬のしつけについてはこちらの記事で!
どんなことを教える?
では、ねこのしつけではどんなことを教えるのでしょうか?基本的には人間と一緒に暮らすためのマナーです。
具体的に確認していきましょう。
入ってはいけない場所を教える
猫と一緒に暮らすためにはまず、家の中の入ってはいけない場所をしっかりと教えることです。特にキッチンやお風呂場などは勝手に入られてしまうと猫に危険が及ぶこともあります。包丁などの危険物があったり、もし洗剤などを舐めてしまったら大変ですよね。
一番カンタンな方法は立ち入り禁止のエリアに猫が入れないようバリケードを設置したり、ドアに鍵をかけるなど空間に工夫をすることです。
立ち入り禁止エリアに猫が入ったら叱るというしつけは「正の弱化」と呼ばれる方法で、猫にとって不快感が大きいです。間違っても叩くなどの体罰はしてはいけません。
では、どのようにしつけるのが良いかというと猫にサプライズを与えるという方法がおすすめです。入ってほしくない部屋に猫が嫌う匂いのスプレーをかけておく、ベタベタしたものを入り口に貼っておく、部屋に入った瞬間に手を打ち鳴らして驚かせるなどのやり方があります。
「ここに入ると嫌なことがあるな」と覚えることで自然とその部屋には近づかなくなってくるでしょう。しかし、サプライズをする際は飼い主の仕業だと猫に気づかれないように注意しましょう。
猫が「この人は嫌なことをする」と思ってしまうと猫との信頼関係が崩れてしまいかねません。
トイレを教える
犬と比べると猫はトイレを覚えるのが早いです。「あちこちニオイを嗅ぎ回り、床をかくしぐさ」は 猫がトイレに行きたいというサインです。このしぐさを見つけたらトイレの中に連れていってあげましょう。
これを何度か繰り返すことで猫は「ここは自分専用のトイレだ」と認識してトイレを覚えてくれます。
またトイレが汚れていると排泄を拒否することもあるので、こまめに洗って常にニオイや汚れのないようにしておきましょう。
つめとぎ
猫にとって爪とぎは古くなった爪を取り除いたりストレス発散のためにも必要で当たり前のこと。爪とぎの行為を止めさせるのではなく、どこで爪をといで欲しいのかを教えるのが爪とぎのしつけになります。
爪とぎを教えるにはまず飼い主が見本を見せてあげます。爪で軽くカリカリとするところを見せてあげると子猫でも覚えてくれやすいです。また、猫が爪とぎでカリカリとすることが出来たらすかさずご褒美をあげることで「ここで爪をとぐと良いことがある」と覚えてくれるでしょう。
噛みぐせ
猫は興奮状態に陥ったり、強いストレスを感じた時に噛むことがあります。
しつこく撫ですぎた時や遊んでいる時に噛まれたという経験のある飼い主さんは多いのではないでしょうか?噛まれた後の対処ももちろん大事ですが、噛ませないようにすることが大切です。
猫が噛む前は瞳孔が開いて黒目がちになる、しっぽを大きく左右に振りはじめるなどの兆候があるはずです。このような仕草を見逃さず、猫を落ち着かせてあげることが噛まれることを回避する一番の方法です。
「手に噛みつくこと=遊び」と覚えてしまわないよう、おもちゃを使った遊びでストレスを発散させてあげるのも忘れないようにしましょう。
まとわりつき
猫が足元をくっついて離れない、トイレなどどこまでも付いてくるなどの光景は見ていると可愛いものです。しかし、少しでもそばを離れると暴れたり大きな声で鳴き続けるという場合は分離不安に陥っている可能性があります。
分離不安になると猫に大きなストレスがかかり、破壊行動に出たり、元気がなくなるなどの症状が出てしまうことも。
分離不安を緩和させるには飼い主側の工夫が必要になります。
出かける前のルーチン(上着を羽織る、猫に声をかける)が決まっていると、猫は飼い主が出かける前から不安を感じてしまいます。
分離不安の猫は変化を恐れます。飼い主がいつの間にか外出していた、いつの間にか帰ってきていたというくらいに「極端な変化を感じさせない配慮」が必要になります。
まとめ
マイペースに、自由に生きる猫にしつけをするのはなかなか思い通りに進まないものです。なんでもかんでも覚えさせようとするのではなく、トイレや爪とぎなどの本当に困ることにスポットを当てて重点的に教えていくのが良いでしょう。