犬にとってのしつけは「おすわり」や「おて」「ふせ」のような芸事に関するものだけではありません。しつけには人間と犬が一緒に暮らすために必要な要素がたくさん。
子犬の時期は飼い始めでまだ戸惑うことが多いかもしれません。しかしこの時期はしつけをする上でとても重要な時期なのです。
しつけと言うと犬にルールを覚えさせることと考えてしまいがちですが、人間側も立派な飼い主となれるよう努力する必要があります 。 犬がしつけを守りたくなるような信頼関係を築かなければいけないのです。
犬のしつけは決して一方通行ではありません。お互いのコミュニケーションが円滑になるための手段と考えて、後々双方がストレスを感じないようしっかりと行いましょう。
どんなことをしつける?
では具体的にはどんなことをしつければいいのか。基本的な要素を確認していきましょう。
トイレのしつけ
犬のしつけで最初に行いたいのはトイレのしつけ。家に迎えた日から教えるようにしましょう。
もし犬がトイレを失敗したとしても、叱ってしまうのは厳禁です。
ここで叱ってしまうと排せつ行為に不安を感じてしまうようになり、飼い主に隠れて行うようになる可能性が出てくるからです。
まずはトイレには排泄の臭いのついたものを置いてトイレを覚えさせます。反対に、トイレに失敗してしまった場所はすぐに綺麗にして匂いを残さないようにしましょう。
名前を呼んだら来るしつけ
名前を呼んだら犬が来るようにしつけることはいざという時に犬を呼び寄せることが出来るのでぜひ教えておきたいものです。
名前を呼ばれたらいつでも、どこからでも飼い主の目を見ながら近づいて来てくれるようになればしっかりしつけられていると言えるでしょう。
ボディコントロール
ボディコントロールとは犬がどこを触られても嫌がらないようトレーニングをすることです。何故このようなしつけが必要かと言うと、犬が触られることを嫌がって噛み付く事故を防止するためです。
例えばお散歩中にマナーを知らない人が突然犬に触ってきたとします。ここで驚いた犬が相手を噛んでしまうことが考えられます。
また動物病院での検査時に限らず、日常的に体に触れることは病気や怪我の早期発見に繋がります。
中にはベタベタ触られることを嫌がる子も居るので強要はできませんが、触られることにある程度慣れさせておくことは犬の健康維持のためにも必要なことです。
散歩などで社会に慣れさせる
初めてのものに恐怖や不安を覚えるのは人間も犬も同じです。特に耳の良い犬は音に過敏に反応します。車やバイク、子供の声など、外の世界には様々な音があります。それらに子犬のうちから慣れておかないと、成犬になってからお散歩を怖がったり興奮して道路に飛び出すなど事故にも繋がりかねません。
子犬のうちから積極的にお散歩へ行き様々な音に慣れさせる、他の犬とのコミュニケーションを取るということは犬の社会性を高める上で重要なことです。
犬のしつけのポイント
犬をしつける際には自分の都合で言うことを聞かせるのではなく、犬が何故そのような問題行動を起こしたのかをきちんと考えてしつけをしましょう。
犬の気持ちを考えてしつけをする
無駄吠えとはよく言われますが、実は意味もなく吠えたり噛んだりする犬は居ないのです。犬は言葉を話せないので吠えたりして気持ちを伝えます。
犬がどういう気持ちで問題行動を起こしたのか、しつけをする際には今一度考えてからみましょう。
犬のリーダーになる
犬のしつけには、犬よりも自分が上だと思わせる事が大切です。 犬の習性においてリーダーは絶対です。その習性を利用することでしつけはスムーズに行えます。一番最初にすることは犬のリーダーになることなのです。
犬のリーダーのなり方
犬にとって「人間がリーダーだ」と感じるのは名前を呼ばれるのが最後であったり、ご飯を最後にするなど日常の生活の中で感じ取っていくものです。人間が上、優先だという事を日常的に覚えさせるようにすることで 人間の指示に従おうと考えるのです。
一貫して同じ態度で行う
犬のしつけを一貫性が無いまま行ってしまうと、犬にとっては何が良くて何が悪いのか分からなくなります。
すると混乱することを嫌がってトレーニングやしつけを嫌がってしまうようになります。
この前は大丈夫だったのに何故か今日は怒られた。ということが続くと犬でなくとも嫌になってしまいますよね。しつけに一貫性を持たせることはとても重要なことなのです。
成功したら大げさに褒める
犬は褒められるなど自分にとってプラスになるか、叱られるなどマイナスになるかによって行動を取る習性があります。
しつけが成功した場合は、たとえ偶然であろうとも大げさに褒めてあげることで「褒められる=良いこと」と認識します。
「失敗した時に叱る」方向にばかり力を入れるのではなく、「成功したら思いっきり褒める」ことを重視することで信頼関係も良好になっていくはずです。
まとめ
しつけをするのは初めてですととても大変なことです。しかし犬が安全に、快適に人間と共同生活を送るためには必要不可欠なこと。
信頼関係も築かれるのでしっかり行いましょう。