2019年6月12日、 改正動物愛護法が成立しました。これは犬や猫へのマイクロチップ装着を義務化するもので現在犬や猫を飼っている人はもちろん、これから迎え入れようと考えている人達にとってどのような影響があるのかとても気になるところです。
マイクロチップとはどのようなものなのか?ペットたちに悪い影響は無いのか?など気になる疑問を解決していきましょう。
マイクロチップとは
大事なペットの体に埋め込むマイクロチップ。その特徴やメリット・デメリットを知らないまま利用するのは怖いですよね。
まずはマイクロチップについての知識を深めていきましょう。
どのようなもの?
マイクロチップは、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形をしています。中身はIC、コンデンサ、電極コイルが入っており、外側は生体適合ガラスで覆われています。実物は以下の写真のようなものになります。
入っているデータ
マイクロチップには15桁の数字が記録されてます。 マイクロチップに登録されている番号は1つとして同じものは無く、個体ごとに異なります。 この番号は「リーダー」と呼ばれる専用の読取器で読み取ることができます。
マイクロチップの番号と 飼い主の名前、住所、連絡先などのデータは動物ID普及推進会議(AIPO)のデータベースに登録する必要があります。登録は飼い主が情報を記載した申込書を送付することで行います。
先にも書いたようにマイクロチップの情報の読み取りには専用のリーダーが必要です。
リーダーは動物病院やペットショップにあることが多いです。他には保健所や動物愛護センターなどにも置いてある場合も。マイクロチップの装着が義務化されることで今後は更に増えていくかと思われます。
特徴
マイクロチップは一度体内に埋め込むと、落としてしまったり、消失することはほとんどありません。そのため不正にデータが書きかえられることもなく確実な証明になります。
電子機器ということで電池切れなどの心配はないの?と思うかもしれませんが、マイクロチップはリーダーから発信される電波を利用してデータ電波を発信します。そのため電池が不要、そして半永久的に使用できます。
マイクロチップの耐用年数は約30年、体内で故障や破損してしまったという事例は今のところ報告されていません。
ペットに何度も負担をかける必要が無いのは安心なのではないでしょうか?
メリット
ペットにマイクロチップを埋め込むメリットは地震などの災害や迷子によって飼い主と離ればなれになってしまった場合でも戻ってくる可能性が格段に上がるということです。
どこかでペットが保護されたとしても飼い主の特定が出来ないと、そのまま処分されてしまう・・なんて悲惨な事態に繋がってしまいかねません。
ペットの飼い主を特定させる手段として最も手軽で一般的なのは首輪や迷子札に情報を記載するという方法ですね。しかし、首輪自体が壊れてしまったり文字が読めなくなってしまうなどのリスクがあります。
一方でマイクロチップは体内に埋め込めば破損や紛失の心配がほとんどありません。飼い主の情報を確実に伝える手段としてマイクロチップはとても有効なものなのです。
デメリット
メリットの多いマイクロチップですが、そのデメリットはどういったものがあるのでしょうか?きちんと理解した上で利用をしましょう。
デメリットとしてまず挙げられるのは埋め込みの際に多少の痛みが伴うという点です。マイクロチップの埋め込みはチップ注入器を使って体内に注入します。正常な状態ならば体内で移動することはほとんどありません。
チップ注入器は普通の注射と比べるとかなり太く、痛みはかなりのものになるのではと心配になってしまいますが、普通の注射と同じ程度の痛みとされています。
また、デメリットとして心配されているのはマイクロチップを埋め込んだことによる健康被害。しかしこちらは影響は認められていないという報告が出ています。もちろん、レントゲンやCTスキャンでも問題はありません。
埋め込み
マイクロチップの埋め込みは医療行為となります。飼い主が自分で行うことは出来ず、動物病院で獣医に行ってもらう必要があります。
犬は生後2週齢、ねこは生後4週齢頃から埋込みができるといわれています。しかしこれには個体差があるので獣医に直接確認してみてください。
埋め込みにかかる費用は動物の種類や動物病院によって異なります。犬やねこの場合では、数千円程度の場合がほとんどです。また、飼い主の情報をデータベースに登録する費用が別途1,000円かかります。
義務化されるのは誰に対して?
ペットに対してのマイクロチップ埋め込みを義務付けられるのはブリーダーなど繁殖業者に対してです。 一般の飼い主に対しては努力義務とされています。
既にペットを飼っている人が今すぐペットにマイクロチップを埋め込まなければいけないというわけではありませんので焦ることはありません。 しかし、マイクロチップの埋め込みには多くのメリットがありますのでぜひ見当してみてはいかがでしょうか?
まとめ
マイクロチップの埋め込みと言うと少し戸惑うこともあるかもしれません。しかし、一度埋め込んでしまえば半永久的に飼い主の情報を知らせることが出来るのは安心ですね。
ただ1点注意したいのはチップに登録された情報の更新忘れ。引っ越しなどで飼い主の情報が変わったのにチップの情報が古いままだったとなると意味がありません。