老後の暮らしを支えてくれる重要な収入源として年金がありますね。
とりあえず会社で入っているみたいだけどよく理解していない。毎月言われるがままに払っているけれどいったいどういう仕組なの?と疑問に思っている人もいるかもしれません。
老後のことを考えるならまずは年金のことを知る必要があります。 そこで、このページでは年金の基本についてご紹介していきます。 一緒に学んでいきましょう!
公的年金の種類
まず、日本の公的年金は2階建て構造になっています。
20歳以上の人は皆、国民年金に入っているはずです。これは基礎年金とも呼ばれます。
1階部分にあたる国民年金
公的年金の1階部分にあたる国民年金は20歳から原則59歳まで毎月一定額を納付します。 保険料は毎年見直しが行われており、平成30年度の保険額は1万6340円になっています。
保険料や受給額は原則定額ですが、失業中や学生など、保険料を納めるのが経済的に難しいときには免税制度も利用することが出来ます。
ただし、納税を免除した期間があると将来貰える年金額も減少してしまいますので注意が必要です。
2階部分にあたる厚生年金と国民年金基金
公的年金の2階部分にあたる厚生年金と国民年金基金。
報酬比例部分とも呼ばれており、 一階部分の国民年金は保険料の負担額や受給額が定額なのに対して二階部分の年金は保険料や将来受け取れる金額が変動します。
厚生年金
まず、厚生年金は会社員や公務員が加入するものです。
厚生年金の加入者は自動的に国民年金にも加入していることになります。保険料は給料に対して定率で算出され、給与明細に記載されます。労使折半で会社が半分を負担しているため、実際の保険料は給与明細の額の2倍です。受給額は個人(給与額)によって異なりますが、受給が開始される年齢は原則満65歳とされています。
なお、厚生年金の加入者は自動的に国民年金にも加入していることになります。国民保険と厚生年金の保険料を重複して支払う必要は無いのでご安心を。
国民年金基金
企業などで働く人が加入する厚生年金。自営業者の人は厚生年金に加入することは出来ないので、国民年金に加入することになります。
しかし、2階部分の保険として国民年金基金があります。 国民年金基金への加入は任意ですが、国民年金に上乗せして支払うことで、将来受給できる年金の金額が厚生年金加入者と大幅に変わらないよう是正することが出来ます。
国民年金基金の保険料や受給額は選択した給付の型や加入口数、加入時の年齢などで変わります。どのような型へ加入するかで毎月の保険料(掛け金)に差が出ますが、掛け金の上限は月6万8000円です。
年金は何歳から貰える?
では、年金の受給開始年齢は一体何歳からになるのでしょうか?
年金の制度がよく理解できていないままですと、自分のライフプランが考えにくいです。ここでしっかり理解を深めましょう。
年金の基本的な受給開始年齢は65歳からとなっています。
しかしこの受給開始年齢、実は繰り上げることも繰り下げることも可能なのです。
60歳から選択可能の繰り上げ
年金は65歳からもらうことが前提として考えられていますが、60歳から65歳未満のあいだであれば受給開始のタイミングを自分で決めることが可能です。
60歳で定年退職をした場合、65歳を受給開始とすると5年間の収入が無い期間が生まれます。そこで、繰り上げ支給をすると最速で60歳から受給することが可能なので、収入が全く無くなってしまう期間を回避することが出来ます。
しかし、繰り上げ支給にはデメリットもあります。それは繰り上げをした期間の分だけ毎月の受給額が減額されてしまうという点です。
繰り上げ受給をした場合、繰り上げ期間1ヶ月につき0.5%ずつ減額されていくということを覚えておきましょう。
例えば、60歳から受給開始とした場合には丸5年の繰り上げ受給をすることになります。
この場合の減額率は 0.5(%) × 12(ヶ月) × 5 (年) = 30%
つまり、30%が減額され本来の70%しかもらえない計算となります。
70歳まで選択可能の繰り下げ
一方で、受給開始年齢を65歳から70歳までの間から選択できる繰り下げ支給というものもあります。繰り上げ支給が「1ヶ月繰り上げにつき0.5%減額」されていくのに対して繰り下げ支給は「1ヶ月繰り下げごとに0.7%増額」されていきます。
具体的な例を見てみましょう。
70歳から受給開始とした場合には丸5年の繰り下げ受給をすることになります。
この場合の増額率は 0.7(%) × 12(ヶ月) × 5 (年) = 42%
つまり、42%が増額され本来の142%。つまり1.5倍近くの額を受給できる計算となります。
自分に適した受給開始年齢を考える
繰り上げ受給をすると、年齢の若いうちは受給累計額が多くなります。前倒しで年金を受け取るのでこれは当然のこと。
しかし、繰り上げ受給をすると毎月受け取れる金額が少ないので、65歳・70歳と年齢が進んでいくにつれて繰り下げ受給をした人よりも受給累計額は減っていきます。
何歳まで生きられるかという確証は誰にもありません。なので受給開始年齢は、自分の資産と相談しながら慎重に決める必要があります。
どのくらいお金が必要なのか、不足しているのかなどを前もってシミュレーションしておくことが大事ですね。