地震、台風など近年災害が至るところで発生しています。災害が起こると普段とは違う状況のため、人間にとっても、もちろんペット達にとっても大きなストレスとなります。
災害が発生した時、大切なペットをどのように守れば良いのか?普段から準備しておくべきものは何なのか? を今一度考えてみましょう。
災害時に必要になるもの
私達が緊急時の持ち出し袋を準備しているのと同じように、ペット用にも緊急時にすぐ持ち出せるよう準備しておくべきものがあります。
もちろんペットの種類、それぞれの個性によって必要になるものは違いますが一般的に必要とされるものについてまとめました。
キャリーバック、ゲージ
犬・猫に限らず、どんなペットを飼っている場合にも必要になるものかと思います。もし避難所などへ向かう場合、普段の散歩のようにリードを着けて行く、抱きかかえて行くというのは緊急時にはほぼ困難かと思われます。
災害時にはペットも興奮状態にあります。興奮状態のペットを素早く避難させることの出来るよう、そして逃げ出してしまうことのないようにしっかりと鍵のかかるタイプのものがおすすめです。
入ることを嫌がらないよう、普段から慣れさせておくことをおすすめします。
ご飯と水
災害が発生し、ストレスを感じている状態ですと食欲を無くしてしまう子も多いです。そんな時、普段と違うご飯をあげようとしても食べてくれない可能性が高いです。また、避難所の備蓄にペットフードなどのペット用品は用意されていません。
病院で指定された食事しか食べられない、好き嫌いがあるといった場合に限らず、飼い主の義務として用意しておくようにしましょう。
量は1週間~2週間分を目安に用意しましょう。
水に関しては人間用の飲料水をあげても基本的には問題がないかと思われますが、尿結石などのリスクが有り水にも気を配る必要のあるペットの場合には専用の水を準備しておきましょう。
ペットフードにはドライフードとウェットフードとがあります。可能であればこの両方を準備しておくことがオススメです。
保存性を考えるとドライフードの方が長持ちするので便利ですが、普段と違う環境になったことでペットが水を飲まなくなってしまった場合、ウェットフードがあると無理なく水分を与えることが出来ますので便利です。
リードやハーネス
犬や猫を飼っている場合、ゲージから出す際には必ずリードやハーネスを着用しましょう。他に避難している方の中には動物が苦手だという人も居ます。迷惑がかからないように配慮することが大事です。
排泄物を入れる袋
長期間の避難生活になる場合、ペットの排泄物の処理についても問題になってきます。防臭袋など匂いが漏れないタイプの袋を用意しておくと良いでしょう。ペット用ウェットティッシュ・ペットシーツ・新聞紙なども利用して清潔感を保つように心がけましょう。
その他にあると良いもの
普段から使っているタオルやおもちゃ、おやつなども用意しておくとペットを安心させるのに役立ちます。その他、薬や医療グッズが必要な場合には忘れずに準備しましょう。
ペットの命を守れるのは飼い主だけです。いざという時に慌てないよう日頃から備えておきましょう。
災害に備えて出来ること
持ち出し品を準備する以外にも普段から出来ること・やっておくべきことがいくつかあります。
普段の暮らしの中での防災
ペットの過ごす部屋に倒れやすいものなどを置かない、すぐにキャリーバックに入れることが出来る状態にしておく、興奮した状態のペットが暴れても怪我をしないようにしておくなど災害時を備えた部屋づくりをしておくことも防災に繋がります。
しつけ・健康管理
噛み癖がある、無駄吠えが多い、飼い主の指示に従わない。このようなペットは災害時にも手がつけられない状態になってしまいます。
しつけのきちんと出来ているペットであれば避難所でも受け入れてもらえる可能性がありますが、わがままの過ぎるペットは他の方に迷惑をかけてしまうことも考えられるので入ることを断られる可能性も高いです。
また、狂犬病など感染症の予防接種をしっかりと受けておくなどといった健康管理も日頃からしっかり行っておきましょう。
ペット達が「飼い主と居れば安心」と思ってくれるよう、普段から信頼関係を築いておくことが重要ですね。
迷子防止のための対策
災害時、ペットが迷子になってしまうケースはとても多く報告されています。どこかで無事に保護されたとしても、飼い主が特定出来ず最悪の場合そのまま処分されてしまうといった悲しい例もあります。
迷子札など身元が分かるものの着用、マイクロチップの装着をしておくなどで対策ができますのでぜひ行いましょう。
マイクロチップについては以下の記事でも詳しく説明しています。
避難所・避難ルートの確認
ペットが居る場合の避難は人間だけの場合とは違ってきます。例えば複数のペットが居てケージをいくつも持っていく必要がある場合、徒歩での避難は難しいかもしれません。
そういった場合には車での避難を検討するかと思いますが、避難所までの道のりで道路が分断されてしまいそうな箇所は無いか、混み合いそうな箇所はどこかなどと前もって確認しておく必要があります。
地域での避難訓練などがある場合、可能であれば実際にペットを連れて行ってみるのも良いでしょう。
ペットが居る場合の避難所の対応
避難所でペットと一緒に過ごすことが出来るかどうかは避難所ごとに対応が異なります。避難所までペットを連れて行くことが出来ても、避難所では人とペットが違う空間で過ごす(同行避難)と避難所でもペットと一緒に過ごすことが出来る(同伴避難)とがあります。
未だに多くの避難所では同行避難までしか認められておらず、同伴避難のできる避難所はまだまだ少ないのが現状です。
大事な家族でもあるペットと一緒に過ごすために車中避難や危険の残る自宅に待機することを選ぶ方も多く「エコノミー症候群」や被災のリスクが高くなってしまっています。
しかし、動物のアレルギーを持っている方や抵抗力の弱い新生児などを含め様々な人が避難してくる避難所。避難所側としてもペットを人間が同じ空間で過ごすことを許可できない事情があります。
今すぐにこういった問題を解決することは難しいことですが、飼い主として今出来ることは「ペットを飼っていない人にも理解してもらえるよう歩み寄ること」なのではないでしょうか。
そのためにも、しつけをしない、災害時の準備をしないなどといった無責任な飼い方はせず、日頃から周囲の理解を得られるように努めましょう。
ペットを飼っている方が避難の際に困らない未来を目指すために。小さなことから1歩1歩始めていきましょう。