日本文化の1つとして世界に知られている茶道。ただお茶を楽しむだけではなく、季節を味わったり、おもてなしの心や美しい所作を身につけることが出来たりと様々な教養を身につけることが出来ます。
ルールが多くて堅苦しい、窮屈なもの?いいえ、そんなことはありません。大人の教養としてぜひ、茶道を始めてみませんか。
茶道をオススメしたい人
何かと慌ただしい現代の生活の中でふと立ち止まってみたいと思うことはありませんか?たとえ一時であってもその瞬間にしか感じられないことを味わう時間があると、ものの見方や考え方、人生が少し変わってくるかもしれません。
- お茶が好きな方
- 礼儀作法を身に着けたいと思っている方
- 日常生活での振る舞いを美しくしたいと思っている方
- 伝統芸能を学べる機会が欲しいを考えている方
- 海外の方やお子さんなどへ日本の文化を教える機会のある方
- 心を落ち着かせる時間が欲しい方
- 人との落ち着いた交流が好きな方
茶道ではただ単にお茶の点て方を学ぶだけではありません。お茶を通じて日本の文化やもてなしの心に触れる機会が多くあり、興味がどんどん広がっていくことかと思います。
茶道の楽しみを描いた本
茶道に興味はあるけれど、どんなことをするのか見当もつかないという方は茶道の楽しみを書いた本などを読んでみることがオススメです。いくつかオススメをご紹介します。
日日是好日
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樹木希林さんが出演されていたことで話題となった映画。茶道初心者の主人公が成長していく中でお茶の世界の奥深さ、楽しみを優しく教えてくれるような作品です。原作となった書籍も読みやすくておすすめですよ。
お茶のすすめ
イラストや写真が豊富で分かりやすく、入門にぴったりの1冊です。
単なる教本ではなく、筆者の方が感じたことなどが豊富に書かれており、読んでいるとお茶が身近なものに感じられるかもしれません。
茶道の歴史
茶道は茶の湯・茶湯(ちゃとう)とも呼ばれます。茶道と呼ばれるようになったのは江戸時代あたりから。現代に伝わる茶道の文化を作り上げたのは千利休 と言われています。
千利休は茶聖とも呼ばれており、 千利休らが完成させた侘び茶 が現在まで受け継がれていることからその名で呼ばれています。
侘び茶が形成される前の古い時代の茶の湯では、唐物などの高価な名品を飾り立てて行われていました。しかし利休は「名物や高価なものは茶の湯に不要」とし、簡素な日本の工芸品などを利用した禁欲的な茶の湯を説きました。
茶道の流派
茶道には数多くの流派があります。中でも代表的なのは裏千家と表千家、そして武者小路千家 という3つの流派です。この3つを合わせて三千家と呼ばれることも。よく聞くのは表千家と裏千家のどちらかではないでしょうか?
どの流派も千利休から始まったもので根本は同じです。しかし、お点前の仕方や細かい決まりごとが微妙に異なっています。
実際にお茶を習おうと考えた時、表千家と裏千家のどちらが良いのだろう?と疑問に思うはずです。表千家と裏千家、どちらが優れているということはありません。ルールが少し違うだけで「もてなしの心」を学ぶ茶道をするのは同じこと。
分かりやすい違いと言えば裏千家のお茶は泡が多めで、表面がキメの細かい泡で覆われていること。そして表千家のお茶は泡が少なめで、表面に半月状になるよう泡のない部分が残っているということでしょうか。
最初から悩みすぎるのも考えものなので、通いやすい道場の流派や紹介してくれた人の流派に合わせるなどの判断基準でも大丈夫でしょう。
茶道を習うには
茶道教室を調べてみると意外とご近所にあることも多いです。また、教室が無い場合にも公民館やカルチャースクールなどで教室が開催されていることも。
ここでは月謝の相場やお茶を習うのに必要なものなどをご紹介します。
月謝の相場
もちろん、教室によって差がありますが茶道教室の月謝相場は1万円前後です。長く習ってお稽古のレベルが上がっていくと月謝が上がるところも。また、入門の際には入門料がかかる場合がほとんどです。
お稽古は月に3回ほど行われることが多く、指定の曜日に行けない場合は振替可能な場合もあります。
注意したいのは月謝以外にもお金がかかる場合があるということ。
お盆にはお中元、年の瀬にはお歳暮。お茶会が開催される時にはその参加費が必要になることがあることを覚えておきましょう。
お茶を習うのに必要なもの
始めてお茶を習おうと思っても、一体何が必要なのか分からないかと思います。最初にお金がかかりすぎてしまうのはちょっと・・という場合でもご安心ください。茶道に必要な基本的な道具というのは案外少ないです。必需品は以下になります。
- 袱紗挟み(ふくさばさみ)
お稽古に必要な道具をまとめて入れておく入れ物のこと - 袱紗(ふくさ)
お茶を点てる際に必要な絹の布 - 懐紙(かいし)
お菓子などを乗せるための紙 - 菓子切り(かしきり)
お茶菓子を食べるための楊枝のようなもの - 扇子(せんす)
あおぐためのものではなく、小さめの茶道専用のものを用意します - 古袱紗(こぶくさ)
お濃茶を飲む際に使用します - 小茶巾(こちゃきん)
茶碗の飲み口を拭くためのものです - 茶巾入れ(茶巾入れ)
小茶巾を入れるための入れ物です
これらを全て購入すると1万円前後になります。もちろん質によってはもっと高くなったり安くもなりますが、長く使い続けることを考えるとある程度のものを購入しておいた方が長持ちする上に愛着も湧くかと思います。
これらのもの購入できるのは主に百貨店になります。たまに大きなお茶屋さんなどでも販売されていることがあるので探してみるのも楽しいですね。
道場によってはこの他にも必要なものがあるかもしれません。いきなり全てを準備してしまうのではなく、まずは道場の先生や先輩方に何が必要なのかを聞いてみることをおすすめします。
堅く考えずに楽しむもの
茶道の基本についてご紹介しました。いろいろと書きましたが、何よりも もてなしの心をもってお茶の時間、空間を味わうことが大事です。
決まりごとが多くてすごく難しいと思われてしまいがちですが、誰でも最初は初心者。身につくまでは時間がかかるかもしれませんが、それだけ得られるものも多いはずです。
見学や体験をさせてくれる教室も多いので、興味が出ましたらぜひ近所で茶道を教えている場所が無いか探してみてくださいね。