暑さも深まり「夏」真っ盛りな8月。お盆で帰省する人や夏休みを満喫する人、甲子園の応援や花火大会へ行くなど普段とはちょっと違った生活にわくわくしている人も多いのではないでしょうか?
8月の行事や二十四節気、季語など8月にまつわるコトをご紹介いたします。
お盆を過ぎる頃には暑さの中にも涼しさを感じたり、夏だからこそのイベントの多い8月は普段以上に季節を意識しやすい月かもしれませんね。
ここで改めて季節について学んでみると、より8月を楽しむことが出来るようになれるかも。ぜひ目を通してみてください。
葉月
旧暦では月の呼び方に和風月名(わふうげつめい)を利用していました。現在でも利用することがあるので知っている方がほとんどかと思います。
8月の和風月名は葉月(はづき)です。 葉月という呼び方を日常的に利用していた頃(陽暦の採用前)はまだ陰暦を利用していました。陰暦の8月は、陽暦の8月下旬から10月上旬頃に当たります。
現代の8月下旬から10月上旬にあたる葉月は、紅葉が始まったり落葉の時期です。そこから「葉落ち月」と呼ばれるようになったという説が有力です。 「葉落ち月」が転じて「葉月(はづき)」になったというわけですね。
年中行事
8月はお盆休みでお墓参りに行ったり、年中行事を体感する機会の多い月です。そのルーツを知ることでより深く味わえるようになるかもしれませんね。8月のイベントや年中行事についてご紹介していきます。
山の日
山の日は2016年から施行された新しい国民の祝日です。毎年8月11日が山の日となります。山の恩恵に感謝するという趣旨の祝日で、「海の恩恵に感謝する」海の日が存在するのであれば、山の日も作るべきだという活動から制定されました。
8月11日になった理由は夏山シーズンであること、お盆休みとの連携が取りやすいといったことから。イベント的な要素は特にありませんが、これから山の日が定着していくにつれて何か新しい風習などが生まれていくかもしれませんね。
お盆
お盆の時期は地域によって大きく異なります。全国的には8月15日前後の数日間のことを指す場合が多いです。8月13日から16日あたりが一般的でしょうか。
お盆の時期には年に1度、ご先祖様が地上に帰ってくる時期と考えられています。 ご先祖様の魂をお迎えし時間を共に過ごすことで供養します。
お盆の風習は宗派や地方によって異なりますが、なすときゅうりで牛と馬を作るという慣習は多くの地方で行われています。
きゅうりとなすで作る馬と牛のことを精霊馬・精霊牛と言います。ご先祖様の霊があの世かとの行き来をするための乗り物とされています。
きゅうりで作られた精霊馬は足が早く、ご先祖様があの世から早く家に帰ってこれるように。なすで作られた精霊牛は足が遅いのでご先祖様が少しでもこの世に留まってくれるようにとされています。また、精霊牛はご先祖様へのお供えものなどを乗せて持ち帰るためのものと考える地域もあります。
残暑見舞い
8月7日頃の立秋以降のまだ暑さが残る時期を残暑と言います。はっきりとした終わりの日付は決まっていませんが、暑さの残る8月いっぱいか長くて9月頭までを指します。
なかなか暑さが終わりませんが、体に気をつけてくださいというお便り、残暑見舞いを出すのはこの時期です。
夏の甲子園
年中行事というわけではありませんが、甲子園球場で頑張る高校球児たちを応援するのも8月の楽しみだという方も多いと思います。1915年から開催され、100年以上の歴史ある大会です。
地元の高校を応援したり、贔屓の高校の試合を見るのはワクワクして楽しいです。お盆の時期に家族みんなで集まって楽しく視聴できる高校野球というのは大事な日本の文化なのではないでしょうか?
二十四節気と七十二候
8月の二十四節気と七十二候をご紹介します。 二十四節気とは半月ごとの季節の変化を表す区切りの日 、 そしてさらに、二十四節気を5日おきに分けて気象の動きや動植物の変化を知らせる短文のことを七十二候(しちじゅうにこう)と言います。
二十四節気
立秋(りっしゅう) 8月8日頃
まだまだ暑い日が続きますが暦の上では秋の初めとされる立秋。時候の挨拶やお見舞いも暑中から残暑へと変わります。
暦便覧は「初めて秋の気立つがゆえなればなり」
処暑(しょしょ) 8月23日頃
処暑は暑さが収まるという意味。朝晩が涼しく感じることが増え、秋が近づいているのを感じる時期です。台風が多いのもこの頃。
暦便覧の記載は「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」
七十二候
大雨時行(たいうときどきふる)8月2日頃
夏の暑い日の夕方、突然降るにわか雨のことを夕立と言います。夕立は夏の夕方に降るにわか雨のみを指す言葉で、他の季節のにわか雨は夕立とは言いません。
夕立や台風など雨が激しく降る頃。夏によく見かける入道雲は、夕立が来る合図だと言えます。
涼風至(すずかぜいたる)8月7日頃
暑い日が続くながらも秋の涼しい風が吹き始める頃です。朝晩に涼しい風を感じられるのと共に、夕方に鳴き始める虫たちにも涼が感じられるようになります。
寒蝉鳴(ひぐらしなく)8月12日頃
日の出前や日没後、ヒグラシが鳴く時期。お盆とヒグラシの鳴き声と。夏のノスタルジーさを感じる頃でもあるのではないでしょうか。
蒙霧升降(ふかききりまとう)8月17日頃
深い霧がたちこめる頃。特に森や水辺によく霧が見られるようになります。
深い霧の幻想的な風景と 朝夕のひんやりとした空気に夏の終わりを感じます。
綿柎開(わたのはなしべひらく)8月23日頃
綿を包むガク(はなしべ)が開き始める頃です。 柎が開き始めると中から白いふわふわとした綿が顔をのぞかせてくれます。
天地始粛(てんちはじめてさむし)8月28日頃
ようやく天地の暑さがおさまり始める頃という意味。秋雨前線が天気図上に見受けられるようになり、ひんやりとした空気とともに秋を運んできます。
しかし日中はまだまだ暑さの残るころ。近年は特にそうですが、残暑が続く頃です。
他の月の二十四節気と七十二候についても知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
8月の旬なもの
8月は夏野菜が特に美味しい月です。なすやトマトはもちろん、パプリカ、ししとうといった唐辛子類も旬の時期です。枝豆なんかも美味しい季節ですね。
夏野菜には体を冷やす作用があり、食べることで暑さを乗り切るのにも役立ちます。
モロヘイヤ、ミョウガ、じゅんさい、新しょうが、にんにく、ゴーヤー、ズッキーニ、ピーマン、パプリカなど
旬の果物
もも、すもも、ネクタリン、巨峰、梨、ラズベリー、スイカなど
旬の海産物
ホヤ、アワビ、スルメイカ、カンパチ、トコブシなど
まとめ
8月の節気や旬のモノなどをご紹介しました。お盆が過ぎると涼しさを感じられることもあり、だんだんと秋の気配が近づいてくるのを実感出来るかもしれません。とはいえ、日中はまだまだ暑い日が続きますので熱中症対策や紫外線対策は怠らないようにしてください。