一般社団法人 日本電子機器補修協会
英王立防衛安全保障研究所(RUSI)は、ロシアによるウクライナ侵攻について「(2月下旬の開始から)10日間で作戦を終えて占領し、8月までに全土を併合する計画だった」とする報告書をまとめた。方面によってはロシア軍の戦力が最大12倍だったにもかかわらず、首都キーウ(キエフ)制圧に失敗した要因を詳述している。
RUSIがウクライナ軍から聞き取りを行った上で報告書を作成し、11月末に公表した。侵攻初期にロシア軍の進撃を許したウクライナ側の問題点も指摘しているのが特徴だ。
それによると、ロシア軍参謀本部は奇襲による「電撃作戦」の効果を高めるべく、秘密保持を徹底。演習名目で国境付近に集結していた部隊への命令は、侵攻開始のわずか24時間前だった。これがあだとなり「弾薬、燃料、食料、そして作戦への理解」が不足する結果になったという。
一方、報告書はウクライナ軍の「判断ミス」も列挙している。2014年からロシアと事実上の紛争状態にあったことで軍事力は強化されていたものの、情報機関は侵攻開始の数日前まで、東部ドンバス地方を主戦場と予想。戦力の半分をそこに振り向けたことで、キーウ周辺の防衛が手薄になっていた。
また、北の隣国ベラルーシにロシア軍が演習名目で集結していたことを巡り、北部にあるキーウ侵攻につながる恐れがあると西側諸国が事前に警告していたにもかかわらず、ウクライナはこれを軽視。戦力を引き付けるための「おとり」と誤認していた。侵攻を察知し部隊の配置転換を命じたのは、攻撃が始まる7時間前だったという。
【時事通信社】
〔写真説明〕破壊されたロシア軍の装備を調べるウクライナ兵=4月3日、北部キーウ州ブチャ(EPA時事)
2022年12月04日 05時16分
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