一般社団法人 日本電子機器補修協会
ロシアで米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の米国人記者エバン・ゲルシコビッチ氏(32)の拘束が発表されて、30日で1年となる。西側諸国の記者としては、ソ連崩壊後初めてスパイ罪で起訴。西側で収監されているロシア人との「身柄交換」が水面下で調整されたが、プーチン政権の思惑も交錯し、拘束が長期化している。
「彼はただのジャーナリストだ」。米保守系FOXテレビ看板司会者だったタッカー・カールソン氏は2月6日、モスクワでプーチン大統領にインタビューした際、解放を直談判した。
プーチン氏はこれに対し、ゲルシコビッチ氏が帰国するシナリオを「排除しない」と説明。ドイツで終身刑を言い渡され収監されたロシア連邦保安局(FSB)工作員の存在にも触れ、身柄交換が実現する可能性を示唆していた。
ただ、交渉ではロシア極北で収監されていた反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏らも釈放対象に含まれることになっていた。WSJなどによると、ホワイトハウスにはヒラリー・クリントン元米国務長官、プーチン氏にはロシア人実業家ロマン・アブラモビッチ氏がそれぞれ働き掛けていた。
ロシア当局は2月16日、ナワリヌイ氏が死亡したと発表。プーチン氏は今月中旬の大統領選後に開いた記者会見で、獄死前に身柄交換に同意していたと主張した。ナワリヌイ氏が土壇場で「殺害された」(妻ユリアさん)疑いもくすぶる中、ゲルシコビッチ氏を含む交換はいったん白紙に戻った。
モスクワの裁判所は今月26日、ゲルシコビッチ氏の拘束を6月末まで延長した。有罪の場合、最高で禁錮20年が科される可能性がある。起訴されながら公判が始まらない点について、ペスコフ大統領報道官は28日、コメントを避けるとともに、身柄交換の交渉は「絶対に黙って行わなければならない。(さもなければ)結果を得られなくなる」と指摘。ナワリヌイ氏の問題も巻き込み、過熱するメディア報道を戒めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕ロシアで拘束中の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのエバン・ゲルシコビッチ記者(モスクワの裁判所が26日提供・AFP時事)
2024年03月29日 20時33分
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