イスラエル軍、ガザ全域で戦闘=カタール首相「休戦交渉は後退」



【カイロ時事】イスラエル軍は14日、パレスチナ自治区ガザ全域でイスラム組織ハマスと激しい戦闘を行った。イスラエルとハマスの休戦交渉を仲介してきたカタールのムハンマド首相兼外相は、イスラエルの軍事行動のせいで「(交渉が)後退した」と語り、ネタニヤフ政権の対応を批判した。

イスラエル軍は1月に北部でハマスの部隊を解体したと発表した。しかし、ハマスは勢力を維持していたとみられ、軍は14日に「(ハマスに)強力に対処する」として、北部の住民に退避を改めて勧告。北部ジャバリヤで激しい銃撃戦を行った。

ロイター通信は、南部ラファの住民の話として、イスラエル軍が複数の住宅を爆撃し、黒煙が空を覆ったと伝えた。一方、ハマス側は、ラファでイスラエル軍の車両を破壊したと主張した。

中部ヌセイラトでは、イスラエル軍が、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校を空爆した。軍はハマスの司令室があったと説明。戦闘員約15人を殺害したと発表した。

戦闘が再び激化し、休戦の機運はしぼんでいる。カタールのムハンマド首相兼外相は14日、イスラエル軍がラファで地上作戦を開始したため、「(休戦交渉が)行き詰まった」と指摘した。

国連は14日、ガザ北部で約10万人、ラファで約45万人の住民がそれぞれ避難したと発表した。ガザ保健当局によれば、昨年10月以降、ガザで3万5000人以上が死亡した。AFP通信によると、国連の報道官は14日、死者のうち少なくとも56%が女性と子供だとみられると語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕14日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤで、イスラエルの爆撃を受け上がる煙(AFP時事) 〔写真説明〕14日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトで、空爆を受けて破壊された国連が運営する学校(EPA時事)

2024年05月15日 13時31分


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