野党、8割超で競合=239選挙区、一騎打ち47―「裏金区」でも乱立【24衆院選】



今回の衆院選の全289小選挙区のうち、立憲民主、日本維新の会、共産など主な野党6党は全体の8割超の239選挙区で競合した。与党(保守系無所属を含む)と野党(無所属を除く)による「一騎打ち」は47選挙区にとどまる。自民党派閥の裏金事件に関係した候補は45人(衆院解散前に議員辞職した元職を含めると46人)が出馬した。野党同士の「つぶし合い」になれば与党を利する可能性もありそうだ。

2021年の前回衆院選では立民、共産など野党5党が213選挙区で候補を一本化し、142選挙区で事実上の一騎打ちとなった。ただ、野党勝利は3割弱にとどまり、共闘効果は限定的だった。

今回は、立民の野田佳彦代表が安全保障法制の即時見直しを否定したことに共産が反発して擁立を加速。共産は公示直前に長野3区、福岡5区など一部で候補を取り下げたものの、立共連携の動きは広がらなかった。

野党競合区で「野党2党」が争う選挙区のうち、立民・維新が35、立民・共産が59、維新・共産が28、共産・国民民主党が10でぶつかる。立民と国民の競合はなかった。

立民、維新、共産の三つどもえは71。立民、維新、共産、国民の4党乱立は8だった。

一方、茨城7区では、立民前職の中村喜四郎元建設相の長男が無所属で出馬。野党各党は擁立を見送った。

自民は裏金事件の「けじめ」として政治資金収支報告書に不記載があった12人の非公認を決定し、旧安倍派の萩生田光一氏(東京24区)、西村康稔氏(兵庫9区)ら9人が無所属で出馬した。34人は公認を得たが、比例代表との重複立候補は認められなかった。

公明は「裏金候補」のうち35人を推薦。西村氏ら自民非公認の2人も含まれる。維新との「すみ分け」が崩れた大阪府・兵庫県の6選挙区で全面対決を強いられており、自民の支援に期待する。

裏金候補に対し、野党が競合するのは39選挙区。特に旧安倍派幹部の地元で乱立した。萩生田氏に立民、維新、国民が挑み、西村氏とは立民、維新、共産が戦う。

裏金事件を受けて自民を離党した世耕弘成前参院幹事長は和歌山2区に無所属として出馬。自民は二階俊博元幹事長の地盤を受け継いだ三男伸康氏を公認し、保守分裂となる。

【時事通信社】

2024年10月15日 20時39分

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