27日投開票の第50回衆院選は28日午前、全議席が確定した。派閥裏金事件で厳しい批判を受けた自民党は連立政権を組む公明党と共に大敗し、過半数(233議席)を割り込んだ。石破茂首相(自民総裁)は野党に協力を呼び掛ける方針だが、政局の流動化は必至。立憲民主党は躍進し、国民民主党の議席は公示前の4倍となった。
首相は28日午後、公明党の石井啓一代表と国会内で会談し、連立政権の継続を確認。この後、記者会見に臨む。
林芳正官房長官は会見で、「結果を謙虚かつ厳粛に受け止め、政権運営に当たっていく」と強調。物価高対策などを盛り込む総合経済対策に関し、「具体化の検討を進める」と述べた。
首相は27日夜のテレビ番組で、続投する意向を表明した。11月召集の特別国会で第2次石破内閣を発足させ、重要政策を進めるため、国民民主を中心に「中道勢力」に協力を求める考えだ。当選した自民非公認候補の追加公認も検討するとみられる。
自公が過半数を失うのは2009年の衆院選以来15年ぶり。非公認候補側への2000万円支給が非難されたこともあり、首相の進退も含めて執行部の責任を問う声が出ている。首相指名選挙で選出されても少数与党に転落する見通しで、政権運営が不安定になるのは避けられない情勢だ。
立民の野田佳彦代表も首相指名選挙で日本維新の会や国民民主の支援を得たい意向。28日以降、両党などとの連携を模索する方針だ。
維新の馬場伸幸代表と国民民主の玉木雄一郎代表は自公政権入りを否定。玉木氏は選挙戦で主張した「手取りを増やす経済政策」に賛同する場合は、与党への協力を排除しない考えを示した。
自民党の議席は、当選した非公認候補3人を含めても194。公示前の256から大きく減らした。公明は石井氏が落選し、公示前から8減の24議席となった。
立民は50増の148議席。公示前勢力7の国民民主は28議席に伸ばした。維新は38議席へ五つ減らした。
【時事通信社】
〔写真説明〕自民党本部に入る石破茂首相=28日午前、東京・永田町
2024年10月28日 18時04分