きめ細かな支援、給付でも可能=国民会議―清家篤・日本赤十字社社長



超党派の「社会保障国民会議」で給付付き税額控除を巡る議論が大詰めを迎えている。制度導入の目的と位置付ける中低所得勤労者の負担軽減や就労促進をどのように実現すべきか、専門的立場から論点を精査する有識者会議で座長を務める清家篤・日本赤十字社社長(元慶応義塾長)に話を聞いた。

―有識者会議では「給付に一本化」との意見が多かったとのことだが。

年末調整や確定申告、マイナンバーといった既存の情報インフラを十分に活用することで、給付に一本化しても、給付付き税額控除の意義である所得に連動したきめ細かな支援を実現できる。実体的な効果も税額控除と給付を組み合わせるものと変わらない。

―導入時期や財源は。

既存の情報を活用すると言っても、決して「簡易型」ではない。今後、金融所得や資産の把握といった精緻化を図ることには時間をかけるとしても、最初に走りだすものは、制度の原型となるようなしっかりしたものを速やかにつくっていきたい。恒久的制度には恒久財源を確保しなければならないが、具体的な財源や支援額は政治の場で決定されるべきものだ。

―子育て世帯や高齢者への支援は。

子育て支援は、子どもの数に応じて給付額自体を増やす考え方と、給付の対象となる所得水準の上限を引き上げていく考え方と、両方の意見がある。高齢者の中にも就労し、税金も社会保険料も払っている人はたくさんいる。全世代型社会保障として、年齢で画一的な判断をするのではなく、実質的な負担に基づいて政策判断をすべきだとの意見が出ている。

―従来の社会保障制度との兼ね合いは。

給付付き税額控除は税と社会保険料の負担と現金給付を一体的に捉え、(中低所得者層に重くなっている)純負担率を総合調整するものだが、あらゆる問題を解決できるわけではない。制度をつくるに当たり、従来の制度の給付を削ることはない。従来の制度を尊重しつつ、新しい制度をつくるということだ。

〔写真説明〕インタビューに応じる、「社会保障国民会議」の下に設置された有識者会議の清家篤座長=25日、東京都港区 〔写真説明〕インタビューに応じる、「社会保障国民会議」の下に設置された有識者会議の清家篤座長=25日、東京都港区 〔写真説明〕インタビューに応じる、「社会保障国民会議」の下に設置された有識者会議の清家篤座長=25日、東京都港区

2026年05月31日 07時06分


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