合区解消改憲論、加速か=参院「飛び地選挙区」懸念も―国勢調査



2025年国勢調査の速報値が29日に公表され、参院選挙区の「1票の格差」は最大で3.189倍となった。これまでは、選挙区の合区で格差是正に対応してきたが、対象拡大への反対意見は根強い。遠隔県同士の合区による「飛び地選挙区」を懸念する声も浮上。自民党などが唱える憲法改正による合区解消論が勢いを増す可能性がある。

速報値を受け、最大格差を3倍以内に収めるため、人口下位の5選挙区(福井、山梨、佐賀、和歌山、秋田)の中で、特に福井や山梨が新たな合区対象になるとの指摘が出ている。

16年参院選から導入された「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区は隣接県同士が対象だった。仮に「福井・山梨」の合区が誕生すれば、地域の異なる2県が一つの選挙区になる。参院の自民中堅は「地域のつながりを考慮しない合区という手法は限界だ」と断じた。

国会では、与野党が参加する参院改革協議会で合区解消の議論が行われている。しかし、抜本的な格差是正と地方の民意反映を両立させる案は見いだせていない。

与野党からは29日、改憲による合区解消を求める声が相次いだ。自民の新藤義孝元総務相は「憲法に合区解消の根拠を作らなければならない」と記者団に主張。国民民主党の玉木雄一郎代表も合区解消の改憲を優先するよう呼び掛けた。

ただ、参院野党第1党の立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長は「改憲を要するのか慎重な議論が必要だ」とけん制した。与党の日本維新の会も「合区解消の優先順位は明確に低い」(藤田文武共同代表)との立場。「合区改憲」への理解がどこまで広がるかは見通せない。

一方、衆院では選挙制度に関する与野党協議会が6月2日、総務省から国勢調査の報告を受ける。最大で2.274倍の格差是正に向けた議論は、与党の目指す定数1割削減の行方にも影響を与えそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕国会議事堂=7日、東京都千代田区

2026年05月30日 07時07分


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