
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル前議長は5月31日、東部マサチューセッツ州ボストンで講演し、金融政策の決定について「いかなる政党や政治家の動向も考慮しない」と言明した。利下げ要求を繰り返したトランプ大統領をけん制した形。政権が意見の異なるFRB高官の解任に動けば、中央銀行に対する「信認は失われる」と警告した。
パウエル氏による講演は、議長を退いてから初めて。慣例では議長退任に伴い理事会を去るが、FRB本部改修費の膨張に絡む司法省による自身への刑事捜査が完全に終結するまで、理事に残留する意向を表明している。
トランプ氏は利下げ要求に応じないパウエル氏に対し、議長在任中にたびたび解任の可能性をちらつかせるなど圧力をかけ続けた。
パウエル氏は金融政策の判断に際し、「最善の経済分析にのみ基づいて決める」と強調。政治的な圧力に屈しない考えを改めて示した。その上で、数十年にわたって築き上げられたFRBの信認を「かけがえのない資産」として守り抜き、次世代に継承していくと明言した。
〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル前議長=4月29日、ワシントン(AFP時事)
2026年06月01日 09時46分