歴史的な円安阻止に向け、日本政府は米国から、協調介入という異例の援護を取り付けた。輸入コスト増を通じた物価高に苦しむ日本と、自国経済への波及を危惧する米側の思惑が一致した格好だ。ただ、円安基調の抜本的な転換には至らないとの見方は強い。日銀の早期利上げを求め、米側の圧力が高まる可能性も指摘されている。
「日米通貨同盟の完成形だ」。財務省の三村淳財務官は3日朝、記者団に語った。協調介入はこれまで金融危機や大震災などの有事に際して行われることが多く、連携の意義を強調してみせた。
第2次トランプ政権誕生後、日米双方は為替対応への協力体制を時間をかけて構築してきた。昨年9月に加藤勝信財務相(当時)とベセント米財務長官が、過度な変動に対する為替介入を容認する共同声明を公表。翌10月に就任した片山さつき財務相も、声明に基づく協議を重ねた。
実際の対応も段階的に引き上げられ、今年1月に米当局が金融機関に相場水準を照会する「レートチェック」を実施。大型連休中には政府・日銀が円買い・ドル売り介入に踏み切った。今回の協調介入はその集大成とも言え、トランプ大統領は「友情の証しだ」と表明した。
支援の背景には、これ以上の円安を許せば、インフレ懸念から日本の長期金利がさらに上昇、米長期金利にも波及して自国経済に打撃を与えかねないといった警戒感がある。
ただ、足元の円安には、中東危機に伴うインフレ懸念や日米金利差、高市政権の拡張的な財政政策への不安といった要因が複雑に絡まる。「円安トレンド転換のハードルは高い」(大手証券)との見方が一般的だ。
市場には、米側が次の一手として、日銀に早期利上げを迫るとの見方が出ている。ベセント氏は、日銀がインフレ対応で「後手に回っている」と発言したほか、利上げに慎重な高市政権を念頭に、日銀の「政策余地」の重要性を強調してきた経緯がある。
三村氏は3日、「日銀の金融政策としっかり連動しながら対応していく」と述べた。財政政策の修正や防衛費増額を米側から求められるとの観測もあり、異例の連携は余波を広げそうだ。
2026年08月04日 08時04分
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