
日銀は31日、金融政策の現状維持を賛成多数で決めた。前回6月会合で政策金利を約31年ぶりの高い水準である1%に引き上げたばかりだが、市場では早くも次の利上げのタイミングに注目が集まっている。原油価格の上昇や人工知能(AI)関連需要の急拡大のほか、歴史的な円安の進行を受け、日銀も物価上振れリスクに警戒感を強めている。今後、利上げペースが加速するのかが焦点となる。
日銀の植田和男総裁は同日の記者会見で、「基調的な物価が2%に近づいてきている。これまでとは違って上振れリスクは重視して見ないといけない」と述べ、インフレ進行に対する懸念を表明。利上げの是非について「次回(9月)以降の金融政策決定会合においてしっかりと議論する」と強調した。
31日の会合では、金融政策を決める政策委員会メンバーの高田創審議委員が1.25%への連続利上げを提案した。反対多数で否決されたが、日銀内では銀行貸し出しが依然として増加傾向にあるなど、これまでの継続的な利上げにもかかわらず、緩和的な金融環境にあることに警戒が強い。市場では、半年に1度程度のペースで政策変更するとの見方があるが、植田総裁は「このままでは緩和的に過ぎると思えば、利上げのペースを速めることも十分あり得る」と語った。
一方、緩和的な金融政策と積極的な財政出動を志向する高市早苗首相は利上げに慎重な立場とみられている。看板政策である大規模な成長投資の逆風となる最近の長期金利の上昇にも神経をとがらせているもようだ。日銀は現在の人手不足や資材価格高騰を踏まえると、「(利上げによる)物価安定が投資促進にも重要だ」(植田総裁)として、政府の政策との方向性には矛盾はないとの立場を崩していない。
【時事通信社】
〔写真説明〕金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁(奥中央)=31日午後、日銀本店
2026年08月01日 07時20分