
【北京時事】中国政府による国有金融機関の支援には、不動産市場改革に伴う金融リスクに備える狙いもあるとみられる。政府は8月、住宅を完成前に売る商慣行が不動産開発会社の過剰投資や債務膨張を招いたとして、完成済み住宅の販売を重視する方針へ転換した。購入者保護の一環だが、会社側の資金繰り悪化に拍車が掛かる恐れもある。
中国当局は8月28日、開発会社が「予約販売」で集めた頭金や住宅ローン資金を元手に自転車操業を続ける経営モデルの是正を促す措置を発表。ローンを住宅完成後に実行するよう金融機関に求める一方、購入者の負担軽減に向け、最長返済期間を従来の30年から40年へ延長した。
完成後販売になると、開発会社が住宅完成までの建設費を自己資金や銀行融資で賄わなければならない。このため市場では「痛みを伴う改革」と受け止められ、不動産業界の信用不安が台頭。中国本土・香港市場で関連株が急落した。
格付け大手フィッチ・レーティングスは、経営体力の乏しい企業の淘汰(とうた)が進み、「不動産分野で業界再編が加速する」と分析する。
金融機関の貸し渋りで開発会社への資金供給が細れば、不動産不況が一段と深刻化しかねない。政府による今回の国有金融機関支援は、不動産市場改革に伴う経営・信用リスクを吸収する「防波堤」としての意味合いもありそうだ。
〔写真説明〕中国浙江省杭州で建設中の高層マンション=2024年3月(AFP時事)
2026年09月07日 20時30分