
生活上の困難を抱えた在留外国人を地方自治体などの窓口で支援する「コーディネーター」が全国に広がっている。出入国在留管理庁が2024年度から始めた認証制度で、これまでに162人が合格し、38都道府県に配置された。ただ、認知度向上や待遇の改善が課題だ。入管庁は専門性に見合った評価の在り方を検討しており、諸外国の事例も踏まえて今年度中に方向性を示す。
在留外国人は増加傾向にあり、窓口への相談件数も増え、内容も複雑化している。こうした状況を受けて入管庁が導入したのが「外国人支援コーディネーター」だ。同庁の認証を受けるには、在留資格制度や出入国手続き、メンタルヘルスといった専門知識を学ぶための研修を受け、修了認定テストに合格する必要がある。認証期間は3年間で、来年度から更新研修を行う予定だ。
「困難な状況にある相談者が次のステージに人生を進める瞬間は喜びもひとしお。農業や医療福祉などさまざまな分野の関係者と協働することも増えてうれしい」。入管庁が行ったインタビューには、コーディネーターからこんな声が寄せられた。一方で同庁の担当者は「人材確保には仕事の意義を訴えるだけでは難しい」と話しており、知名度や地位の向上が不可欠だという。
入管庁や有識者らでつくる検討会は、国家資格化の是非などについて議論してきた。ドイツやカナダ、韓国でも外国人支援の専門人材は配置されているが、資格制度はないという。有識者の一人は「資格化すれば他国との差別化が図れる一方、しなくても人材が機能している事実もある」とし、さらなる実態調査を促した。国家資格化には法整備が必要なため、同庁は妥当性などを見極めて判断する。
コーディネーターは今年度中に約300人になる見込み。現在、支援する場所は国や自治体などの相談窓口に限られているが、来年度からは、外国人の就労先や就学先、外国人を支援する民間団体などでも活動できるようにする方針だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕「外国人支援コーディネーター」認定証のサンプル(出入国在留管理庁のウェブサイトより)
〔写真説明〕出入国在留管理庁などが入る中央合同庁舎第6号館の外観=8月17日、東京都千代田区
2026年09月07日 14時32分