【ワシントン時事】自民党新総裁に高市早苗前経済安全保障担当相が選出されたことを受け、米政府内では両国関係の強化に向けた機運が高まっている。トランプ大統領は今月末に日本を訪れる意向で、高市氏との個人的な信頼関係を早期に構築したい考えだ。
米政府関係者は、高市氏がトランプ氏と親交の深かった安倍晋三元首相に近いとして「関係構築はスムーズに進む」と強調。日米両政府が関税政策を巡り何度も交渉を重ねたことを踏まえ、両政府関係者からは「この間に積み上げた経験を引き継いでくれるだろう」と期待の声が上がる。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のニコラス・セーチェーニ日本部上席研究員は、高市氏が強さを売りにしていることに触れ「『弱い日本』という印象が変わり、国際舞台における日本のリーダーシップに影響を及ぼす」と指摘。「党内や野党を説得して政策を推進できるかがカギだ」と語った。
一方、両国間では今後、日本の防衛費増額を含む東アジアの安保情勢が主要テーマとして議論される見通し。日米外交筋は、高市氏が総裁選で保守色を抑えたとはいえ、従来は「タカ派」発言が多かったとして「いたずらに(周辺国との)関係を悪化させるような言動は控えるべきだ。中国や韓国は警戒する」と懸念を示した。
〔写真説明〕米ワシントンのホワイトハウス(EPA時事)
2025年10月04日 22時39分