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ファーウェイ副会長、出国＝米と司法取引、中国はカナダ人解放

【ニューヨーク時事】米司法省は２４日、詐欺罪などで逮捕・起訴されていた中国通信機器大手・華為技術（ファーウェイ）の孟晩舟副会長兼最高財務責任者（ＣＦＯ）＝４９＝と、将来起訴を取り下げる司法取引に合意したと発表した。カナダ民放ＣＴＶなどによると、孟副会長は２４日午後（日本時間２５日午前）、バンクーバーの空港から出国し、中国に向かった。

米中間に横たわっていた大きな問題の一つが取り除かれた。ただ、両国関係の緊張緩和にどこまで影響するかは見通せていない。

孟副会長は２４日、ニューヨークの連邦裁判所にオンラインで出廷し「起訴猶予合意」と呼ばれる司法取引に応じた。一部の不正行為を自ら認め、異議を申し立てないことを条件に、米側が２０２２年１２月に起訴を取り下げる。

この合意を受け、カナダの裁判所も審理を開き、孟副会長に対する２４時間監視の保釈状態の解除を決定した。米国がカナダ政府に求めていた身柄の引き渡し請求も撤回され、孟副会長の帰国が可能となった。

カナダメディアなどによれば、孟副会長は審理後、バンクーバーの裁判所前で記者団の取材に応じ、「（いただいた）親切はずっと記憶に残る」と述べ、安堵（あんど）の表情を見せた。

孟副会長は１８年１２月、米国の要請を受けたカナダ当局に逮捕され、その後米国で起訴された。米国の対イラン制裁を逃れるため、金融機関に虚偽の説明をした銀行詐欺などの罪に問われていた。

一方、カナダのトルドー首相は２４日夜（同２５日午前）、オタワで記者会見し、中国で拘束されていたカナダ人２人が解放され、帰国の途に就いたと明らかにした。２人は孟副会長が逮捕された直後に相次いで身柄を拘束され、中国による報復措置とみられていた。

〔写真説明〕２４日、カナダ西部バンクーバーで、取材に応じる中国通信機器大手・華為技術（ファーウェイ）の孟晩舟副会長（ＡＦＰ時事）

2021年09月25日 13時09分