―政界から退く思いは。
非常に思い出深い、印象的な毎日を送らせていただいた。まず感謝したい。若い時に遠藤三郎衆院議員の秘書を務め、そこを出発点に政治の道に入った。大学を卒業した翌日から秘書を務め、その道をまっしぐらに歩んできた。
―若手時代は田中角栄元首相に学んだ。
男同士でもほれぼれするような身の処し方(だった)。そうありたいと願って、自らの言動を考え、歩いてきたことは間違いない。
―安倍・菅政権で幹事長を歴代最長の5年超務めた。
自分の取り分を乗っけるとうまくいかない。取り分は考えず、ひたすら目的に向かって一生懸命頑張る(ことを心掛けた)。それに尽きる。
―二階派(志帥会)も率いた。
表向きのきれい事だけを言わず、(仲間を)ちゃんと応援してあげることがこれからもずっと大事だ。
―二階派を含む5派閥が解散し、9月の党総裁選では9候補が乱立した。
経過措置として当然あり得る。別に驚いていない。
―派閥は形を変えて復活するか。
自然にまたそうなっていくだろう。世間的にいろいろ批判を受けるようなことを取り除いていけば、派閥というものは何も悪いことではない。
―キャリアを通じて日中関係に取り組んだ。
それほど大きな考えを持って中国問題に取り組んだわけではない。どこの国とも円満に交流していく。この単純なことが大事だ。すぐ媚中派と言うけど、そんなことはしていない。
―引退の決断は。
年齢も考えれば、ここらが当然引き時だと考えた結果だ。
―やり残したことは。
恐らくいっぱいあるだろうが、新しい人が一生懸命やってくれる。積み残した仕事で、やっておいた方がいいと思うことがあったら、これからも自分の(できる)範囲で努力したい。
―自公政権はどうあるべきか。
相手の考え方もよく聞いて、一緒にやっていく姿勢がやはり大事ではないか。
―石破政権に期待することは。
石破政権はできるだけ早い時期に解散して国民の評価を受けようという積極姿勢だ。当然のことで大事なことだ。これからも新鮮な気持ちを忘れず、新しい気持ちで国政にしっかり取り組んでもらいたい。
―若い政治家へのメッセージは。
現場が一番大事だ。特に災害については思う。私は災害で一番に駆け付けたことが何回もある。
◇二階
俊博氏(にかい・としひろ)中央大法卒。経済産業相、党総務会長、幹事長。旧和歌山3区、当選13回。85歳。
〔写真説明〕インタビューに答える自民党の二階俊博元幹事長=9日、東京・永田町の同党本部
2024年10月11日 07時05分