東日本大震災以来13年ぶりに東北電力女川原発2号機(宮城県石巻市、女川町)が再稼働した29日、同原発の立地自治体や福島県の住民からは「やむを得ない」「複雑な気持ちだ」などと、さまざまな声が聞かれた。
石巻市の主婦石田牧子さん(75)は「できれば動かしてほしくないけれど、今の電力状況を考えると原発は必要だと思う」と話した。東京電力福島第1原発事故を念頭に「同じようなことが起きないことを祈るだけだ」と付け加えた。
同市の60代会社役員男性は「リスクはあるが、将来的には社会の役に立つと思う」と再稼働に賛成の立場。看護助手として働く同市の50代女性は「不安はあるが、いいとも悪いとも一概に言えない。安全に稼働してもらえればいい」と語った。
一方、福島県双葉町の会社役員谷津田陽一さん(73)は「リスクがある以上やめてほしいが、やむを得ないと感じる部分もある」と説明。女川原発が福島第1原発と同じ型の原子炉であることに触れ、「事故の経験を生かし、二重三重の安全策を取ってほしい」と求めた。
〔写真説明〕東北電力女川原発=2020年10月、宮城県
2024年10月29日 23時02分