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菅氏、静かに存在感アピール=自公「パイプ役」期待も



自民党の菅義偉前首相が静かに存在感をアピールしている。一時活発化させた岸田文雄首相に対する批判を控える一方、政策提言や議員外交で影響力を発揮。亀裂が深まる公明党との関係では、事態の打開に向けてパイプ役を期待する声があり、動向が注目されている。

「現状は大変残念だ」。菅氏は27日、衆院小選挙区の「10増10減」に伴う東京での与党候補者調整難航について秋田市内で記者団に尋ねられ、こう強調。「自公の信頼は政治の安定につながる」として早期収拾を訴えた。

岸田政権下、菅氏は非主流派に位置付けられる。内閣支持率が低迷していた今年1月、首相について「派閥政治を引きずっている」と批判のトーンを強めた。「岸田降ろしか」との見方も広がったが、党内に同調する動きはほとんどなく、尻すぼみに終わった。

その後、支持率が回復し始めると、こうした言動を封印。自身が首相在任中に手掛けた日本学術会議の見直しを巡って政府が4月に改正案の今国会提出を断念した際も、「しょうがないな」と関係者に語る程度で、表立って発信しなかった。

「反岸田で動けばハレーションが起きる。政権が簡単に倒れるとは思っていないから、じっとしている」。菅氏の心境を側近議員はこう解説する。

一方で、3月に出産費用の実質無償化を提唱。政府がまとめた少子化対策の「たたき台」に、検討していく方針を盛り込ませた。今月31日には日韓議員連盟会長として初めて訪韓することが決まっている。尹錫悦大統領と会い、関係正常化の流れを後押しする考えだ。

そんな菅氏に周囲が期待するのは、公明党の支持母体・創価学会との水面下の話し合いだ。自公協議は公明側が東京での選挙協力解消を通告する事態に発展。党幹部同士の交渉では着地点が見えない状況にあり、ここで菅氏が道筋を付ければ影響力拡大につながるという計算もあるようだ。

菅氏は7年8カ月に及んだ第2次安倍政権の官房長官時代、学会幹部と関係を築いた。ある公明党関係者は「学会と直接話ができた菅氏なら、こうはなっていなかった」と指摘。菅氏に近い自民党のベテラン議員は「最後には菅氏が動くしかない。そのために首相が頭を下げに行くかどうかだ」と語る。

菅氏は27日、記者団に対し、自民党が参院で過半数を得ていない現状にも言及。「自公の意思疎通では互いに配慮していく必要がある」と述べた。

【時事通信社】 〔写真説明〕報道陣の取材に応じる菅義偉前首相=27日午後、秋田市

2023年05月27日 18時20分


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