トヨタ、26年3月期は純利益34.9%減予想=米関税で1800億円減益―現地生産、中長期的に拡大も



トヨタ自動車は8日、2026年3月期の連結純利益が前期比34.9%減の3兆1000億円になる見通しだと発表した。ハイブリッド車(HV)などを中心とした販売増で5年連続の増収基調が続くが、トランプ米政権による高関税政策により、4、5月分だけで営業利益が1800億円押し下げられると見込んだ。高関税が長引けば影響がさらに広がる可能性がある。

記者会見した佐藤恒治社長は、米国の関税措置を踏まえ「中長期的には現地で生産していく形をしっかり取っていく」と述べ、米国での生産拡大を検討する考えを表明。ただ、国内生産300万台体制は「揺るがず守っていく」と強調した。

26年3月期は、売上高に当たる営業収益が前期比1.0%増の48兆5000億円と過去最高になる見通し。一方で関税のほか、資材価格の高騰が3500億円の減益要因になるとして、本業のもうけを示す営業利益は20.8%減の3兆8000億円と見込んだ。

想定為替レートは1ドル=145円(前期実績は153円)、1ユーロ=160円(同164円)。日野自動車やダイハツ工業を含めたグループの世界販売台数は1.7%増の1120万台を見込む。電気自動車(EV)については26年に150万台の世界販売を計画していたが、「各地域で実需のペースのリアリティーが見えてきた」(佐藤社長)として、下方修正する考えを示した。

同時に発表した25年3月期連結決算(国際会計基準)は、営業収益が前期比6.5%増の48兆367億円と4期連続で増加し、過去最高を更新。営業利益は10.4%減の4兆7955億円、純利益は3.6%減の4兆7650億円といずれも2期ぶりに減少した。HVなどの販売が好調だったが、人材育成などの投資や傘下の日野自動車の認証不正の関連費用を計上した影響で減益となった。

【時事通信社】 〔写真説明〕決算記者会見で発言するトヨタ自動車の佐藤恒治社長=8日午後、東京都中央区

2025年05月09日 08時27分


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