一般社団法人 日本電子機器補修協会
奈良市教育委員会と奈良県立橿原考古学研究所は27日までに、同市の富雄丸山古墳(4世紀後半)から出土した2メートルを超す鉄製の「蛇行剣」を調査した結果、持ち手の部分に剣と刀それぞれに特有な装具があったと発表した。同研究所は「古墳時代の刀剣装具の系譜を考える上で極めて重要な資料になる」としている。
蛇行剣は30日~4月7日、同研究所付属博物館(同県橿原市)で、一般向けに初めて公開される。
鉄剣は2022年12月、祭祀(さいし)に使用されたとみられる古墳の北東側で出土。刃の部分が曲がり、刃の全長は約237センチと、東アジアで発見された当時の剣としては最長だった。木製のさやに入った状態で見つかり、儀礼的に用いられたと考えられている。
同研究所などは出土後、保存処理と詳細な分析を実施。その結果、さやの木材はホオノキで、剣の持ち手部分には黒漆が塗られた装飾が施され、刀に特徴的な「くさび形」の柄頭(つかがしら)がある一方で、柄の縁には剣に特有な突起もみられた。
発表に同席した奈良大学の豊島直博教授(日本考古学)は、蛇行剣はこれまで各地で出土しているものの、長さは80センチ程度で、2メートル超は例がないと指摘。同古墳はヤマト政権の関係者が埋葬されたとの説もあり、「同盟関係の印として各地の豪族に蛇行剣が配られていたことを裏付ける可能性がある」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕富雄丸山古墳から出土した蛇行剣=26日、奈良県橿原市
〔写真説明〕富雄丸山古墳から出土した蛇行剣の概念図(奈良市教育委員会提供)
〔写真説明〕富雄丸山古墳から出土した蛇行剣の柄(つか)部分(奈良県立橿原考古学研究所提供)
2024年03月27日 13時31分
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